第22話
しばらく。
婚活パーティーが始まって4時間。僕の人生で最も長い4時間。
誰一人も欠けることなく4時間も耐えきったのは僕らが初めてなのではないだろうか。
この短時間で僕は他の男達との仲間意識が芽生え始めていた。
最初は僕一人でも耐えきれば良いと思っていたけど、今は誰一人も欠けること無く耐えきりたい……。
このまま女性たちと一度も拳を交わすこと無く耐えきりたい。
そう願っている。
しかし。
ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタ
そういうわけにはいかなかったようだ。
遠くの方から女性たちの足音が聞こえてくる。
「「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!」」」
そして、見える。
女性たちが。
彼女たちの格好はすごかった。
男どもの汗が、唾液が、おしっこが、うんちが、精液にまみれた汚物。
僕からしてみればそんな汚物としか言えないような代物を口に咥えて走ってくる。
口に、首に、体に、汚物を巻き付けた四つん這いで走る裸の女性たち。
すげぇ。本当にすげぇ。
最早言葉が出ない。
そんな汚物を巻き付けないでそのまま裸で来てほしい。
せっかく匂いは良かったのに、匂いも地獄と成り果てた。
「「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!」」」
怪物。化け物。魔物。
同じ人間とは思えぬ声で叫び、とんでもない速さで動き、口からよだれをダラダラと垂れ流す。
そんな彼女たちの姿を見て、他の男たちは本能的な恐怖を覚える。
「あの変態共をぶっ殺せぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええ!!!」
僕はあまりの光景に呆然としていると、僕の代わりにデブが叫んだ。
デブの力強い言葉は目の前の光景にポッキリと意思が折られていた男たちの瞳に強い光が宿る。
「ここが最後の戦場!最後の戦い!必ず生きて帰るぞ!」
僕もデブに負けじと声を張り上げる。
一応僕がリーダーだしね。デブに仕事を奪われたままというわけには行かない。
「すぅー」
僕は息を深く吸う。
「総員構え!!!」
僕は自分の手に握ったスナイパーライフルの銃口を先頭に走る女性に合わせる。
他のみんなもそれぞれの獲物を女性たちに向ける。
その武器は僕と同じスナイパーライフルであったり、機関銃であったり、ミニガンであったり。
ありったけの殺意が込められた銃口が女性たちに向けられる。
「てぇぇぇ!!!」
火を吹く。
僕達の手に握られた銃が。
幾つもの弾丸が女性たちに襲いかかる。
僕達の最後の戦いが始まった。
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