第23話
『撃つよ!』
「おけ」
鈴鹿の号令とともに、【エスプリ】において最強と言われる特大魔法が放たれる。
敵である5人はその魔法によってあっさりと体力をすべて失い、敗北した。
敵が今まで頑張って積み重ねてきた結界も全部吹き飛ばした。
流石は火力ブッパの鈴鹿の特大魔法。威力が違う。
ゲーム画面に勝利の文字が出てくる。
「ナイスー」
『ナイスー』
『ナイスー』
『ナイスー』
『ナイスー』
始まったギルド対抗戦。僕達のギルドは順調に勝ち星を上げていた。
ギルド対抗戦の仕組みは簡単で、バトルアリーナと呼ばれるところに予め登録しておいたメンバーで戦う。勝てばポイントが手に入り、負ければポイントを失う。
期間終了時にポイントが多かった上位10組でトーナメントを行い、優勝を決めるのだ。
バトルアリーナのバトル期間は3週間。
TPvPとFPvPのルールはこんな感じだ。
ギルドRTA対抗戦の場合は少し違うんだけど……。
バトル期間が始まってからもうすでに一週間。僕達は未だに黒星はなし。
全然全勝だった。
ランキングはぶっちぎりで一位。
戦い方は単純で、僕が鈴鹿を守り、鈴鹿が魔法を唱えてぶっ放して終了。
特大魔法の詠唱にはあまりにも時間がかかりすぎるため、PvPで使われることはない。あまりにも隙がデカすぎるのだ。魔法を唱え終わるよりも前に倒されてしまうだろう。単純に一人が動けなくなり、5対4の状況となってしまう。そんな中一人を守ることなど不可能に近いだろう。
だが、僕がいる場合は別。
たった5人相手で、しかも二人の味方がいる状況で鈴鹿一人を守り通すことくらい造作もなかった。
僕がひたすら鈴鹿を守り、鈴鹿が特大魔法をぶっ放す。
この必勝法を持ってして僕たちは勝ち星を挙げ続けていた。
『そろそろ落ちないと』
『明日も学校あるからね』
『せやなぁ』
「おけおけ、了解。じゃあ今日はここまでで乙ー」
夜までやっていた僕たちはボイチャを切り、夢精の処女の面々は【エスプリ】からログアウトする。
「さてと」
僕はキャラを変える。
……流石に。この編成で【最強のギルド】のチームには勝てる気がしない。
簡単に他二人は倒され、5対1で押し切られて、鈴鹿を倒されてしまうような気がする。
彼らに勝つには元々使っていたキャラで戦う必要があるだろう。
あのキャラの本領はサポートにあるのだから。
僕はメインアタッカー運用ではないサポート運営に慣れるため、クエストの勤しんだ。
もちろん配信はオフだ。
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