第21話

 ギルド対抗戦。

 【エスプリ】において定期的に開催される大規模なイベント。

 ギルド対抗戦にも種類があり、全部で3つ存在する。

 まず一つ目がギルドに入れる最大人数である100人全員が参加し魔物と戦い魔物を倒すまでのタイムを競うギルドRTA対抗戦。

 次に2つ目がギルドから選ばれた10人同士が戦うTPvPギルド対抗戦。

 そして最後に3つ目がギルドから選ばれた5人同士で戦うFTvTギルド対抗戦。

 僕が所属しているギルドである【夢精の処女】は前回も、前々回も、前々々回も、一番最初のギルド対抗戦からずっとこの三種類のギルド対抗戦に置いて三種類ともすべて優勝を果たしてきた。

 ギルド対抗戦で出場していたのは僕だけ。

 僕一人で魔物を倒すタイムが、トッププレイヤー100名のガチ攻略のタイムよりも遥かに早く、10対1でもフルボッコにし、当然5対1でもフルボッコし、ただ一度の敗北もなく、圧倒的な無敗伝説を作り出した。

 ……僕のキャラが下方されたときは普通にブチ切れそうだったが、よく考えてみれば今までの功績を考えたら割と妥当な措置かも知れない。

 だが、今回のギルド対抗戦は今までのように楽勝というわけではない。

 というか無理である。

 新しい新キャラは一対多が苦手なタイプのキャラ。流石に10対1、5対1で無双できるとは思えないし、ギルドRTA対抗戦などタンク職である新キャラが魔物を早く倒せるわけがない。

 なので今まで通り僕一人で戦うなど不可能。

 ギルドのみんなと出場する必要があるのだが、うちのギルドのメンバーは残念ながら僕を合わせて5人しかいない。

 ギルドRTA対抗戦とTPvPギルド対抗戦で勝つことは正直に言ってかなり厳しいだろう。

 僕達のギルドはFPvPのみ出場することに決めていた。

 職業もみんないい感じに散らばっていて、かなりパランスの取れた編成になっているのだ。

 5人でギルド対抗戦とか初めてということもあり、僕達【夢精の処女】は連携を確認するために最近はよく5人でFPvP をしていた。

 それに……


「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


「なぁ、男とのうんちとおしっこの味はどういった味がすると思う?」


「人間ってどこまで傷つけたら死ぬのかしら?」


「えへへ、私をモノとして……」

 

 もはやこの世の地獄のようなボイチャでしっかりとした連携を取れるようになるのにかなりの修練が必要となるだろう。

 ……というか可能なのだろうか?

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