貞操観念が逆転した世界へ転生した引きこもりニートゲーマー少年はリアイベに行きたいようです！

第20話

「あの……」

「あわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ！！！！！！！！！」

「男の子の声！！！！！！本物ではないか！！！！！」

「えー」

「ごめんなさい」

「いや、別に理沙のせいではないでしょ」

　仮面さんのたった一言。

　それだけで二人はとんでもない勢いで慌て始める。

「うほっ！うほ！うほうほ！」

「おぉ！！！！！」

　霧音は人間の持つ知性と言語を失い、愛梨は持ち前の冷静さを完全に消失していた。

「え、えーと、愛梨、はボイチャ初めましてだよね？」

「そうだな。すみませぬ。いやはや久しぶりに取り乱した」

　愛梨はいつもの冷静さを取り戻し言葉を並べ始める。

「いやいや、大丈夫だよ」

「なるほど……。これは惚れるな」

「「は？」」

　私と仮面さんは言葉を揃える。

　いきなりこの人は何を言っているの？

「いや、何。我々がこんなに取り乱しても平然と答え、謝罪を受け入れてくれるなど本来ならばありえぬ。女が男に優しくされることなどないからな。女なんていとも容易く落ちるだろう。まぁもとより女など男に話しかけられれば即落ちするだろうが。君はさぞかしモテるのであろう。もうすでに結婚の枠はいっぱいいっぱいか？」

「いや、僕は引きこもりであまり人と関わることもないし、まだ一人しか相手がいないけど」

「なんとっ……！では私を結婚相手の候補に入れては貰えぬだろうか？」

「「え？」」

　私と仮面さんの言葉が重なる。

　……。

　…………。

「いやいや！展開が早すぎるだろ！」

「む？そうなのか？」

「そうだろ！」

「それは済まないことをした。こういうことには少し疎くてな」

「あ、うん」

　仮面さんはあっさりと引いた愛梨に少し戸惑いを見せる。

「ぽぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！！！！」

「いや、お前少し前まで普通に僕と話せていたじゃん……元に戻っちゃているよ……」

「確かに」

　私と仮面さんは霧音に視線を向ける。

「ふむ。では私におしっことうんちを来れないだろうか？」

　意識は再び、会話が終わったとばかり思っていた私達にいきなりとんでもない言葉を突っ込んできた愛梨の方に引っ張られる。

「……え？」

「だから私に」

「繰り返さなくていいから！聞こえたから！あのセリフは君のリクエストか！」

「あぁ。どうだろうか？何だったら外で一緒に全裸になって糞尿パーティーと」

「もういいから！スカトロ露出狂！？キャラが濃い！僕のキャラ食われすぎ！僕の存在が空気になっちゃうからぁ！」

「むぅ」

　愛梨は不満げな声を漏らす。

「ここには狂生物しかいないのかよ……。まともなのは理沙だけだよ……。理沙は僕に何をしてほしい？」

　仮面さんはため息を一つつき、私に聞いてくる。

　え？

　え、えっとぉ。

「……私は……仮面様にモノのように扱われたいです……」

　じわり。

　私は自分のパンツが濡れていくのを感じた。

「「「え？」」」