第18話
……。
…………。
ふむ。
『何を言ってほしい?なんでも言うよ?』か。
なるほど。
「ごめんなさい。もう一度言ってもらえますか?」
「え?聞き取れなかった?もう一回言うよ。何を言ってほしい?なんでも言ってあげるよ?」
……。
…………。
なるほど。
「ごめんなさい。もう一度言ってもらえますか?」
「嫌だよ!確実に聞こえていたでしょ!本当に聞こえていないん?僕の滑舌ってそんなに悪いん?え?僕の滑舌って実は死んでいるの?息していないの?」
「あ!別にそういうわけじゃないの!……えっと、その正気ですか……?」
……なんでも言ってあげる……?
なんでも言ってあげる!?
「おん。別に構わんよ?あ、じゃあ交換条件として水面には僕の言ってもらいたいことを言ってもらおうかな!」
「そ、そんなことで許されるのであればいくらでも構いません!……本当に良いんですか?」
「うん。とりあえず言ってほしいことを全部ノートか何かにまとめて写メ送ってほしいな」
「わかりました」
私は厚さにしてノート一冊分になる紙を一枚一枚写真に撮り、仮面さんに送っていく。
10分ほどしてようやく送り終えた。
「すっごい量だな」
仮面さんは送られてきた量に少し引き気味だ。
まぁそれも当然だろう。
私だってこの量には引いている。
「ほ、本当にい、いいんですか?……特にここに書かれている『ピ───────! ピ───────────!!!』とか」
「別にいいけど。……水面ってば案外すごいんだね……」
「あ!これはギルドのみんなの分です!わ、私はこ、こんななの恥ずかして無理です!頼めません!その……理沙大好き(はぁと)とか言ってくれれば……」
「あら、純情。あぁー、ごめんだけど、僕Mの気はこれぽっちもないから、Mっぽい言葉は嫌かな」
「別に構いません!」
それくらい良いだろう。むしろMっぽい言葉以外はオッケイというのが本来ならありえないのだ。
「ちょ!俺のうんちとおしっこ飲んでいいぜ?……って何!?うんち飲むとは?うんち食べるだろ」
……え?そこ?
引かないの?かなりやばい言葉だと思うんだけど。
「とりあえずは全員分の名前に大好き(はぁと)をやっていくか」
仮面さんはかなり心を込めて一言一言話していく。
「理沙大好き(はぁと)」
んっ!?!?
衝撃。
甘美な響き。
気絶しかける。
だが、なんとか耐える。悟りを開いててよかった。
「このド変態がッ!卑しい雌豚がッ!」
彼は告げていく。
霧音が書いたドSな言葉を。
「はぅん!!!」
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