第11話

「おっけぇ?おっけぇ?おっけぇ?」


「うん……」


 あれから30分ほど。

 ようやく事態の収集がついてきた。


「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


 ……叫んでいる委員長らしき人は知らない。

 事態の収集はついてきているのだ。

 現に水面らしき人は泣き止んでくれているしね。うん。


「ごめんなさい……男の子に迷惑をたくさんかけてしまって……」


「ん?あぁ、ぜんぜん大丈夫だから。というか久しぶりに頼られて少し嬉しかったから。新鮮な気持ちだったよ」


「……慰めてくれてくださりありがとうございます……こんな私なんかのために……」


「いや!違うから!別に慰めていうわけじゃないから!元気だして!」


「……はい」


「ぷしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!」


「こいつはいつまで叫んでいるんだ!?」


 ずっと叫び続けている委員長にキレそうになる。


「あ、それでは『霧音のことが嫌い』なんて言うのはどうでしょうか?かなりのダメージを与えられると思うのですが」


「え?……それって……?」


「はい、ドへ、へ、へん、変態!委員長の本名です!」


 ……変態という言葉を溜めらっているの可愛い。


「言っていいの?」


「はい。大丈夫ですよ」


「というかさっきから叫んでいるのは委員長で良かったんだね」


「あ、はい。そうですね。そういえば自己紹介していませんでしたね。……人間な関係の基礎中の基礎である自己紹介を忘れてしまうようなダメ人間ですみません……。私が水面です。今叫んでいるのは委員長ですね」


「おけ」


 水面のネガティブには触れないことにしよう……。やぶ蛇になる気しかしない。


「霧音のことが嫌い」


 僕はとりあえず水面の言う通りにすることにした。


「ァァァァァアアアアッッ!!!」


 雑魚キャラが死ぬ声がした。


「大丈夫?」


「だいじょばナッシング……」


 だいじょばナッシングって何?

 だいじょばないの進化系?だいじょばないを進化させる必要があった?普通にダサくないか?


「よし!事態の収集はついたね!じゃあゲームしようぜ!どのクエストやる?」


「え、えっと、ですね」


「ふぇ?あふ?はえ?」


「なんで!?なんで!?ここでコミュ障になる!?さっきまでの威勢はどこに行ったの!?」


「いや、男の子とのまともな会話とか初めてで……」


「あふ、あふ、あふ」


「なんで!?あんなに散々叫んでおいて今更!?というか水面とはもう十分話したよね?」


「私は完全に悟りを開きました。私はこの世のすべてを知りました」


「悟り開いてる!?この短時間で悟り開いちゃっているよ!?この世のすべてを知っちゃてる!?」

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