第4話

『委員長ー。タンクキャラの立ち回りを教えてー』


 僕は僕が所属しているギルド【夢精の処女】というどストレートな下ネタの名前のギルドのギルドチャットで委員長に泣きつく。

 まぁ【夢精の処女】というギルド名を考えたのは僕なんだが。【美少年と繋がりたい】?僕は繋がりたくないし、もうすでに繋がってるから!

 ということで僕がギルメンから許可を得て変えたのだ。

 ちなみに今表示されているギルドルームの部屋は調和のとれた素敵な一室。に、一見見えるのだがよく置かれている小物の注目して見ると、小物に描かれた点や線が巨大な男のあそこを表現しているという下ネタ部屋になっている。


『……タンク?』


『そうそう』


『うん。そう』


『あぁ新キャラの話ね!良いわよ』


『ありがと!』


 キャラにはロール(役職)が決められている。

 攻撃力、体力共に高いアタッカー。

 ヘイトを集め、味方を敵の攻撃から守る高い耐久力を持ったタンク。

 遠距離攻撃が可能で攻撃力も高い反面体力が少ないガンナー。

 移動速度が早く、サポートを得意とするサポーター。

 回復や支援を主な仕事とするヒーラー。

 この5つのロールが存在する。

 僕の今までの持ちキャラのロールがサポーターで、新キャラのロールがタンクなのだ。

 僕はずっとサポーター(笑)を使ってきていたので、タンクの基本的な動きなど全くわからないのだ。なのでタンクを主に使っている委員長に教えを請うているのだ。

 ちなみにだが、【夢精の処女】のメンバーのロールは、神無月がガンナー。水面がアタッカー。ド変態委員長がタンク。侍ちゃんがヒーラー。

 ……侍ちゃんはなんで名前が侍なのにヒーラーを使うのだろうか?

 最高に不思議である。

 あ、後【夢精の処女】のギルドメンバーはこれだけだ。たった5人!少数精鋭だね!


『じゃあクエストに行こうか!どのクエストに行く?私としては服を溶かしてくれるご褒美触手モンスタークエストに行きたいんだけど』


『異論なし』


『グヘヘヘ、触手プレイ男の子……』


『グヘヘヘ、触手プレイ女の子……』


『女の子なんて見たくないんだけど?』


『男の子なんて見たくないんだけど?』


『は?あんたそれでも女?』


『いや、僕は男やで』


『……あぁ、そういえばそんな設定もあったわね?』


『設定言うなや。ガチやぁ』


『この世界にエロトークに付き合ってくれる男の子がいるとでも?』


『いるとも。リアルはクソやが、二次元はラブ』


 最近はリアルも良いと思い始めてきていると言うか、思っているのだけど。


『いくらでもエロトークに付き合ってあげよう……』


 僕達は卑猥なエロトークを交わしながらクエストに向かった。

 ……。

 …………。

 クエストは難航した。

 僕も委員長も触手に突っ込み、ボコボコにされているせいで。

 てぇてぇ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る