第34話
「………ひっく」
僕の一世一代のプロポーズからすでに30分。
ようやく和葉が泣き止み始めた。
もうこの頃には僕の服は水分を吸い取りすぎてお話にならないレベルになってしまっている。
重い。服が重い!あと匂いがすっごい!
臭いというわけではないが、こう……なんだろう。和葉の匂いに包まれてえっちい気分になってくる。
……興奮する。
襲っていいかな?襲っちゃっていいかな?
「泣き止んだ?」
「……うん。大丈夫」
掠れた声で和葉が返事してくれる。
声掠れすぎじゃね?
「よかった。じゃあとりあえずまずは掃除のやり直しだね」
僕は和葉の色々でビショビショになってしまった床に視線を向ける。……本当にひどい有様だった。
マジで。かなりひどい有様だ。涙ちょちょぎれそう。時間かかりそうやな。掃除するのに。
「あ……ご、ごめんなさい」
和葉が自分のせいでビショビショになってしまった床を見て顔を赤らめ、恥ずかしそうに顔をうつむかせる。
「え、えっと……今片付けるから!」
「うん。お願いね」
和葉が立ち上がる。
びろーんと僕の服から鼻水が和葉の伸びる。
「今から掃除しますから!」
和葉が掃除道具を持ち床を拭き始める。
下から垂れ流しながら……。
「あれ……?きれいにならない?」
それに対し和葉はきれいにならないことに疑問を持ち、首を傾げる。
「和葉……下、出ているよ?それじゃあ一生きれいにならないよ?」
「……え?」
僕の至極当然の指摘に和葉は何を言っているのかわからないという表情を見せる。
そして和葉はゆっくりと自身の下半身へと視線を向ける。
「ひやぁぁぁぁぁあああああああああ!漏れてるぅぅぅぅぅううううううううう!」
……え?き、気づいていなかったの?
あんだけ出しているのに……?
「は、恥ずかしい……」
和葉は顔を赤らめさせ、蹲る。
「あ!ちょ、ちょいちょい脱水症状が大丈夫かどうかを聞いてくるのって……」
「あ、うん。下から大量に出しているから大丈夫かなって」
「いやぁぁぁぁぁぁあああああああああ!」
和葉は顔を赤らめ、叫ぶ。
マ……?ほ、本当に気づいていなかったの?う、嘘でしょ……?
あんだけ濡れているのに違和感とかに気づかないの?
え!?乾いている!?
僕は和葉が着ている服を見て驚愕する。
さっきまでビショビショだったのに!?乾くの早いとか言うレベルじゃなくない?
……え?嘘でしょ……?どうなっているの?い、意味がわからない。
……まぁ、和葉だからか。
「ぬ、濡らさないように気をつけながら掃除しますね」
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