第2話
「ん、んぁー」
僕は椅子をきしませながら背伸びする。
「喉乾いた」
結局俺はゲームの周回を11時間ほど続けた。
周回を手伝ってくれた水面も途中で明日も学校があるからもう寝るということで、落ちてしまったので、途中からは僕一人になってしまい周回にかなりの時間がかかってしまった。
……学校かー。
こっちの世界に転生してから一回も学校に行っていないなぁ。
僕の名前は間宮賢人。
前世の名前は甘露寺瑛太。
ここまで言えばどんなに感の悪い読者でもわかるだろう。
僕は転生者なのである。
前世の世界は男女比1:10000とかいう頭の悪い男女比じゃない、男女比1:1の普通の世界だ。
彼女いない歴=年齢の僕でもこの世界なら余裕で彼女を作れると図に乗った僕は母親の言いつけを破り、外に出た。
そして────
あの時以来僕は家から一歩も出ていない。
忘れもしないあの猛獣のような女性たち。
僕のトラウマとなった。
……みんな可愛いんだけどなぁ。
町行く人みんなノーメイクでも橋本環奈レベルに可愛くて、老化も限りなく遅く50代、60代でも前世で言うところの30代前半レベルの見た目なのだ。
あの猛獣のような一面さえ……!一面さえなければ……!
本当に残念な限りである。
ちなみに母親は仕事の関係で海外に出張している。
え?父親?そんなものはいないよ。
父親がいる家庭なんてほぼ無きに等しい。
この世界において、男は政府に対して精子を提供する義務があるのだ。
世の中の女性たちは提出された精子を使って人工授精するのである。僕の母親もその一人だ。
この世界の人工授精の技術は凄まじく、妊娠する確率は脅威の100%。
僕の前世での世界での人工授精の確率が平均的に5%〜10%だったことを考えると、驚異的な数字であることがわかるだろう。
『男の貴重な精子を無駄にしてたまるか!余ったとしても私が全部飲んでやるわ!』という恐ろしいこの世界の女性の執念を感じる。
ちなみに文明レベルは僕が元いた2020年の世界と変わらない。
男がいなくなったことによるゴタゴタで技術開発が50年ほど遅れたのだ。
あと、この世界にはコロナウイルスなんてものはない。
なんでだろうね?ちなみにこの世界の中国は共産主義国ではない。
さて、こんなところだろうか?
ラノベの主人公らしく自己紹介できたかな?
なんか僕の現状があまりにもなろうとかにありそうな世界設定過ぎてふとラノベの主人公らしく自己紹介をしてみたくなったのだ。
ゲームに新しく追加されるキャラがかなり珍しい前世のラノベにいそうな女キャラだったから、前世にどっぷりハマっていたなろう系小説を思い出してしまった。
ちなみに、この世界のラノベは読まない。
なぜなら、この世界のラノベは男女逆転をひどくしたようなもの。
まるでラノベの女キャラのごとくかっこよくて吐きそうになるようなセリフを吐く男キャラの性描写過多のラノベしかないのだ。
僕には合わない。
11時間何も飲んでいなく、流石にのどが渇いたので座りっぱなしだった席から立ち冷蔵庫に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます