第25話 不器用

 祖母の時には、法要も納骨も呼ばれませんでした。

 後から聞いた話だと、そもそも法要も納骨も頼めなかったそうです。


 理由は言うまでもなく、父の法要代、納骨台をお寺に支払っていないから。

 ツケが山盛りあるところへ、更なるツケを頼めるはずがないのです。


 父、祖母、どちらの葬儀でも、結構な額の香典を受け取っていたはずなんですけどね……あれらは一体、どこへ消えたのでしょうか。


 ――知っていて見過ごしているお前も同罪だ、と思われる方も多いでしょう。

 でもね、私は正直もう二度と、家族のことでお金を払いたくないんですよ。


 そりゃあ、利用したものにお金を支払うのは当然のことですけれど……もう私の中では、ハッキリ線引きされているんです。

 ――「彼らのツケや借金は、私が払うべきものとは違う。家族だからって、イコールにはならない」と。


 そもそも香典の管理をしていたのだって、実家の皆さん(というか母)なんですから。

 それをどう使い果たして、どう支払い不能に陥っているのかなんて、私の知ったことではありません。


 個人的な思いを言えば、「まず、家族に対する思い入れがあまりないのだから、私なら直葬で済ませる。法要も何もかも最低限以下で済ませて、さっさと納骨しちまえば安上がりで良いじゃないか」ですから。


 それを、わざわざ近所中の人間を呼び寄せてまで華やかに葬ったのは母です。

 母が望んで手配したのだから、「母親が支払わないなら、子のお前が払え」と言われても、そんなもの「ハア~? 知りませんけど~?」としかならなくて。


 最低と言われようとも、これでもかと線引きを済ませた私にとって、そこは「道理が通らない」のです。

 母の業が私まで繋がっていないとでも言いましょうか……道が断絶しているのです。母の言動に、私の意志はひとつも介入していませんし。


 私はどうにも極端な性格で、偏った考え方をする人間に育ったようです。

 今まで情にほだされて生きてきた反動か、「自分にとって不利益なことが起こるぞ」と察知すると、容赦なくぶった切ってしまうようになりました。


 ――特に金銭関係は(笑)


 ただ同時に、恩を仇で返す両親を見て育ったこともあり――「ああいう恩知らずにだけは、なりたくない」と強く思うようになりました。

 人から何かしらの施し、恩を受けたら、とりあえず1.5倍ぐらいにして返さねばと。


 人に優しくされたら、例え本人にとっては「当然の行い」だとしても、やや大袈裟に感謝してしまいます。

 何かしら手助けされると、「困った時には、絶対に私を呼んでくれよな! できることなら何でもするぜ!?」と言うぐらい重く、義理堅いです。(自分で言うな)


 それは恐らく、この場でも言えることですね。

 拙作に何か反応を下さった方が居ると、尻尾を振って駆けて行ってしまいますから。

 あまりにも熱心に追うので、怒涛の鬼コメントで困らせてしまった方も多いかと存じます。


 少しずつ読めば良いだけなんですが、空いた時間でまとめ読みしたいタチでして。


 よく、読んだからには感想を残したい! でも鬼のように通知が行くと鬱陶しいよね!? いや、コメント残さないと「どうせ読んでないくせに」と思われない!? というジレンマに苦しんでいます(笑)


 本当に極端だから、「程々にする」というのが難しいんですよね……。


 大量のコメントに返信するにも時間がかかりますし、私生活や執筆でお忙しい方々には、多大な迷惑をかけていると思います。

 だから返信のない方がいらっしゃると、さすがに「アッ、やっぱり私邪魔になってるわ!」と気付くので、それ以降はコメントを送りません。


 相変わらず生き方の要領が悪いです。

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