私の非日常な日々
レイド
第1話
季節は春の日、暖かな風がそよそよと吹いている今日この頃。俺こと、南山真琴は、人生の選択を迫られていた。まあ、ぶっちゃけて言うと、俺は高校生で、顔はまあ平均の平均と言われるほど、運動も百メートルを五人で走って3着ぐらいだし、テストだって全教科500点中、250点ぐらいだったりするわけで……まあ何が言いたいのかと言うと、シンプルイズベスト。まあ普通っちゃ普通なんだよな、これが……そんな俺が、何故人生の選択を迫られているのかと言うと……朝、いつもどおりに学校へと向かって、ちなみに俺の通っている学校と言うのは、山野辺市にある山野辺高校と言う。まあ……受験して面接して、受かる確率と言うのが100人いたとすると50人は受かるだろうな……とまあ、そんな学校なわけで、そんな学校の昇降口にある俺の下駄箱の中に一通の手紙が入っていた事が始まりだった。
その手紙が入ってる事で考えられるのは、普通なら女子か男子から「放課後、体育館の裏で待ってます」とか「昼休み、屋上でお待ちしております」とか、そんな手紙だと普通期待するだろ? いや普通なら期待するね、俺もそう思ったし? で、その手紙を受け取ったからには、内容が気になるだろ? 普通、だからこそ俺は、誰にも見つからないように、その手紙を開けて内容を見てみたわけなんだけど
そこに書いてあった内容はと言うと……
「放課後、誰もいない音楽室の中で待ってます、逃げないように」と書かれてありました。
ええ、そう書いてあったんです。はっきり言いましょう、怖いです。しかも逃げないようにって、書いてあります。でも一体誰が待ち構えているか気にはなるし、それに「逃げないように」から察するあたり、逃げたら一体どんな事が待ち構えているかさえ分からないし……だから俺は、内心びくびくしながらも放課後になったら、音楽室に行く事にする事にした。そして、授業がいつもどおりに終わり、時刻は約束の放課後。俺は決心して、山野辺高校の南校舎3階の奥にある、音楽室に向かった。
いざたどり着いてみると、やっぱりドキドキはする。一体何があるのか気になってはいたし……入ろうか帰ろうか悩んだ末、俺はそ~っと扉を開けて中に入った。
音楽室の中は、ピアノと歴代の作家が飾ってある額縁があり、よく学校の怪談とかに使われる「音楽室の鳴り響くピアノ」とか「額縁の目がギョロギョロ動く」とか、そう言った学校の怪談が本当に起こりそうな音楽室だった。そんな音楽室の中で待っていたのはというと……
「待っていたわ……南山さん」
そう言ったのは、同じクラスの汐崎美咲だった。彼女は、クラスの中ではダントツの可愛さを誇り、男子が勝手に作った、美少女ランキングも上位に位置づけられていて、MISAKIファンクラブとか言うMKFC(美咲ファンクラブ)とか言うのもあったり、そんな大人気な彼女が俺に向かって、待っていたわと言って来た。はっきり言おう、これは何かの冗談か? またはどっきりか? とか思ってしまった。そう思うのも無理はない、だって今まで 一度もクラスの中でも校舎の中でも会話した事が無かったからだし、一体何の用なんだとも思ってしまった。
「えっと……何の用……」
そう言って、俺は彼女の様子を伺った。
彼女は、少し俯きながら、徐々に顔を上げていって、俺に向かって、飛び切りの笑顔でこう言ってきた。
「好きです!彼女にして下さい!」
そう爆弾発言してやがりました、普通ならここで「はい、よろこんで!」とか「是非、お願いします!」とか言うのだが……一つ重大な問題が発生していた。
「あの……自分、女なんですけど……」
そう、俺こと、南山真琴は、出席番号27番の正真正銘女の子なワケで、まあ一人称は自分か俺と言っているけど、紛れも無く女の子なワケなのです。
「分かってて言ってます!」
おい、この場合どうすればいいんだ……と回答に俺は、困ってしまった。
「えっと……友達からなら……」
と、俺は妥協な線で言ってみる。
「嫌です、他の女に取られたくないから、彼女にしてくれと言っているんです!」
即答かよ!?しかも他の女に取られたくないからとな!? なんで取られるのが女限定何だろう、男に取られるとか一切考えてないのか? こいつは? まあ……今は男に興味は全く無いのは、事実なんだが……はっきり言って、俺は困っていた。
「えっと……とりあえずなんで自分?」
そう聞いてみた、すると彼女はこう言ってきた。
「初めて見かけた時、一目ぼれしたんです、貴方であんな事とかこんな事とか妄想もしちゃったし……」
ええ!? 何という爆弾発言!さすがに俺もかなり動揺してしまった。と言うか……妄想って、一体何を想像したんだ……
「だから、絶対に私の物にしたいと思って、手紙を送ったんです!他の女に取られたくないから!」
うわ~、しかもやっぱり女に取られると思っちゃってるよ、この子。実際、俺はそんなに女子にもてているとか、そういうのは全くと言っていいほどないんだがな……
「駄目ですか? こんな私と付き合うの」
そう彼女は男が見たら、一発で惚れそうな眼差しでそう言ってきた。本当に俺は返事に困った、ここでOKしてしまったらどうだろう。
世間からどう言った目で見られるか安易に想像できる。彼女はファンクラブまである人気者だし?じゃあ断ったらどうなるか……それも仮想シュミレーションとして想像してみる。
(仮想シュミレーション)
「ごめん」
「何でですか!」
「いや、よく知らないし……」
「じゃあ私の事、隅々まで知ってから決めてください!」
「ちょ、何で脱ぐ!?」
「だってその方が速いから……私、貴方に何されても……」
(仮想シュミレーション終了)
はい、NG!というか、何という妄想してしまったんだ、俺は!? はあ……どうしたものか……そう悩んでいると、放送で「下校の時刻になりました、速やかに下校して下さい」とアナウンスが聞こえてきた。
「あ、下校時刻だし、自分は、もう帰るね!」
「あ、待って下さい!」
そう言って、俺はダッシュで逃げ帰る事にした。
次の日、何て言われるかはまだ分からないが、逃げて正解だったな……と俺は思っていた。
もし断ったら、さっきの妄想通りになりそうな雰囲気だったし……
そんな、俺のふつ~の日常が、非日常に変わった瞬間でもあったのであった。
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