12月10日

 スキアは分子レベルでの結合があやふやで、その影響か、もやがかかったような見た目をしている。

 その身体のもろさにプラナリアの遺伝子が組み込まれている。だから普通の銃弾では倒せない。

 焼夷弾のように周囲ごと燃やすのが得策らしい。

 しかし焼夷弾か。また難しいものを。

 今は通常のビルならスプリンクラーが装備してある。すぐに火など消えてしまう。

 それでもやってみる価値はありそうだが。

 だが、焼夷弾は重い、かさばる。

 俺は知り合いのつてを利用し、焼夷弾を予約する。

「あら。依頼が来ているわよ」

 シラヌイがSNSで見つけてきたダイレクトメールに目を通す。

「ほう。俺に依頼するとはな」

 俺はそのメールを確認する。

凜藤りんどう鈴音すずねを殺してほしい」

 対価は一億円。

 本当に支払えるのか? と疑問に思うが、俺はその依頼を受けた。

 目標を殺すのはクリスマスまで。

 顔写真つきだ。

 これならすぐに見つけられる。


 明日から凜藤を見つける。そしてスキアの邪魔はさせない。

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