12月9日

 アブラギットギット研究所。

 二回目の潜入捜査だ。

 今夜は冷え込む。それに以前の失敗で警備体制が強化されている。


 ――邪魔をする者は排除せよ。


 それが施設で育てられた俺の根っこだ。

 入り口を固めていた警備員をサイレンサーつきの拳銃でしとめる。

 まさか正面から堂々と侵入してくるとは思ってもいないだろう。

 入り口にある端末。恐らくパスワードを設定してあるのだろう。

 俺はマイクに向けて話す。

「シラヌイ開けろ」

『へいへい』

 やる気のなさそうな声が返ってくる。

 だが、ものの数分で扉が開く。

 中に入り、奥に進んでいくと、スキアの幼体や成体がガラス瓶の中に閉じ込められている。

 中にいる警備員の数も少ない。

 拳銃で撃ち殺していく。

 まずはスキアの討伐方法を知りたい。

 俺に刃向かってきたのだ。

 とうてい許されるものではない。

「見つけた!」

 研究所内を調べ上げて、分かったことがある。


 太陽が苦手。

 ニンニクが苦手。

 流水が苦手。


 まるでおとぎ話の吸血鬼だ。

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