12月8日

 昨日は驚いた。まさか明理が俺の応援をしてくれるなんて。

 なんでも明理の父は暗殺者を雇って反対意見を言う指導者を排除しているという。

 そして自分は政治界に居座るつもりなのだそうだ。さらに最近、若い暗殺者を雇ったようで、俺が目障りになっているらしい。

 細かいことは聴かなかったが、明理の心拍数、体温、唇の震えから察するに、俺を暗殺する気なのだろう。

 困った。

 俺には敵が多すぎる。

 スキアに暗殺者。

 二つを相手取るのは厳しい。ましてやスキアは正体不明のバケモノだ。

 頭を抱えていてもしょうがない。

 明日に向けていろいろ下準備をしておくか。


 さてと。これで準備も終わった。

 それにしても、スキアの情報はまだ足りない部分が多い。

 今は狙われていないみたいだからいいが、明日はどうなるか分からないのだ。

 国立の研究所があんなものを作っていたなんてな。

 驚きが隠せない。

 拳銃に弾を込めながら、俺はリンゴにかじりつく。

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