12月4日
晴天。風速、南南西1m。気温8度。
いける。
「シラヌイ」
「右三度。撃て」
シラヌイの合図で発砲音が鳴り響く。
岸本がその場で崩れ落ち、動かなくなる。
あとは気づかれないうちに逃走するだけ。
俺は足早に狙撃銃をゴルフバッグしまうとシラヌイとともにビルを駆け下りる。
階段の踊り場に降りたとき、それは起きた。
「み~つけた!」
ゾクッとする殺気。
声のする方を見ると、そこには天井に張り付く黒い影が一つ。
見た目は黒いもやのようなもの。それが四肢をはやし、目は充血したような赤。
はっきりいって正体不明の何者かに目を付けられたのだ。
俺は腰に装備していたハンドガンを抜き出し、発砲。
「痛いじゃないか」
そう言いながらケケケと笑う謎のもや。
俺はアンノウンと呼称し、足早に階段を駆け下りる。途中、何度も発砲して。
「なんだ! あれは?」
「私に聴かないでよ。アカツキ」
二人して駆け下り、夜明けの朝焼けに飛び込む。そして止めてあった車に乗り込む。
奴は……?
振り返ってみると、陰の中を行ったり来たり。
どうやら日光には弱いらしい。
「ふ。これで勝ったな」
「逃げるわよ」
「あいよ」
この日の任務は終わった。
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