第17話 一騎打ち、メレディス将軍!
俺は、メレディス将軍とかいうサイボーグ将軍の前に立つ。
「キサマが、ウワサに聞くダイデンドーッ!」
サイボーグ将軍が、俺に剣の切っ先を向けた。
俺より一回り以上小さいのに、この威圧感とは。
「そうとも。俺がダイデンドーよ! てめえが敵の親玉か! 痛い目に遭いたくなかったら、兵を引きやがれ!」
厳密には「ダイデンドーのコア」なわけだが、この際いいか。
「ここをキサマの墓場とする。切り捨ててくれるわ!」
サイボーグ将軍が、脅威の跳躍力で俺の視界から消えた。
「やべえ!」
俺は、魔物の残骸から硬そうなパーツを拾う。
メレディス将軍へ向かって、魔物の破片を投げつけた。
「斬!」
メレディスが、剣を振り下ろす。
キュウリみたいに、強固なパーツをスパッと両断しやがった!
「うおおお! ですよねーっ!」
他にも各種パーツを拾っては剣を受け止める。
しかし、すべて切り捨てられた。
「こんにゃろ、これならどうだ?」
太いトゲが密集した、手甲を見つける。これならいけるか?
「トゲトゲパンチをくらえ!」
「しつこい。斬!」
またしても、剣によって切り捨てられる。
パンチごと投げつけなければ、俺の腕も持っていかれていた。
メレディスの剣が、眼前に迫る。
「ぬお!」
ギリギリで、ブレードをかわす。
ジワッと、頬に熱が伝ってきた。
火属性の攻撃が付与されているのか。
熱で焼き切るタイプなのだろう。
なんてリーチだ。
よけているはずなのに、ギリギリで攻め込んできやがる。
「ちょっとまて。コイツ、剣が伸びてねえか?」
どうも、メレディスの剣は伸縮自在のようだ。
[光学式のブレードです。インパクトの際に伸び、引き戻すと刀身が縮むのです]
火属性の刀身を召喚し、斬りかかる技か。
だから、あんなに強気だったんだな?
くそ。武器はハンドレオンが持っているんだよ!
なんとかリオがある程度自由になれば、合体もできるんだが。
「ヤロー、くらえー」
女ドワーフが、将軍の背後からロケットランチャーを放つ。
まだ逃げていなかったのか!
「やべえ逃げろ!」
俺は女ドワーフに声をかけた。
しかし、相手は聞いてさえいない。
「無粋!」
メレディス将軍は、相手のロケットも見ることもなく、一刀のもとに付した。
両断されたロケットが、炸裂する。
「にぁああああ!」
女ドワーフを爆風で吹き飛ばしつつ、こちらの視界も奪うとは。
「ぐっ!」
目潰しかよ。
「ぬん!」
俺の目を狙って、メレディスが剣を突き立ててきた。
一〇倍以上の体格差がありながら、よくやる!
「ミサイルは出せるか?」
[数発程度なら]
「十分だ!」
俺は一発だけ、小指からミサイルを放つ。
魔力の回復で生成可能になったミサイル数発の、たった一本だけを。
「無駄!」
真一文字に、メレディスはミサイルを切り捨てる。
そうくるのは、わかっていたさ!
「な!?」
メレディスの剣が、俺の顔のすぐ横をすりぬける。
俺もカウンターでパンチをお見舞いしたが、空振りに終わった。
「お前さんが切ったのは、煙幕でしたー」
目潰しには、目潰しを。スモークミサイルってやつである。
「おのれ、姑息なマネを!」
「これだけガン首揃えている相手に少数で挑もうってんだ! 策ぐらい練るさ!」
「こしゃくな……」
実際にお互い、大勢の戦力を失っている。
ここらで引いてもらえたらいいが。
「ならば一騎打ちといくべし! こちらも本気で参る! ドライディノス!」
地面が揺れだす。
「おお、Tレックスだ!」
Tレックス型のロボットが、地面を割いて現れた。
しかも、ちゃんとシッポが水平になっている。
漆黒のTレックスが、変形を開始した。
腰の部分が反転し、逆関節の両足が二足歩行ロボの脚部に。
禍々しい爪はそのままだ。
アギトが割れ、肩パーツへ。
シッポが両腕となる。
肩部分となった背中から、ロボットの頭が飛び出す。
「暗黒獣機 ドライディノス!」
Tレックスとメレディスが合体し、黒いロボットとなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます