第110話 今日は、バカンス
日の光が反射するくらい真っ白な砂浜。
地平線まで、見渡す限りの真っ青な海。水平線の上には空が高く浮かび上がり、雲が海の色を反射している。まさに海を楽しむのに絶好な雰囲気と天気だ。
そして、白く輝く砂浜では多くの人が体を焼いたり走ってはしゃいだりしてバカンスを楽しんでいる。
「ウィン、初めての海はどう?」
「すごい、きれいです──」
ウィンは、その光景に目をキラキラさせながら興味津々そうに見つめていた。
ここは、街から少し離れたところにあるバカンス地「レゾナーレ」。
最近、戦いや陰謀渦巻く話など、息を詰まらせることが多かった。
ウィンも、たくさん力を使って疲労がたまっていたようなので今までのお礼も兼ねてバカンスに来たのだ。
街から、馬車を借りて半日ほどで到着。
馬車から降りると、街道から見える見渡す限りの海と砂浜。
すぐに海へと足を運ぶ。
「どうするんですか?」
「とりあえず、宿を確保しよう」
砂浜の近くにある大きめのコテージ。確か、あそこがこの辺りを仕切っている建物のはず。
そこへ行って、ドアを開けて中に入る。
木でできた素朴なつくり、受付のお姉さんに話しかける。
近くに、小さいコテージ型の宿泊施設があるらしく、一晩分予約を取った。
鍵を受け取り、コテージを出る。またしばらく海岸沿いを歩く。みんなそれぞれ楽しそうに、海を楽しんでいた。
中には海を泳いでいたり、海水を掛け合って楽しんでいたり──。
「早く、俺たちも楽しみたいね」
「はい」
ほどなくして、指定された宿に到着。
中は、木でできた広いワンルームの部屋。
窓からは、青い海が一望できるようになっている。
「早く、楽しみたいです」
「そうだね」
荷物を置いて、水分を取ってから俺たちは海へと脚を進めていった。
そして、海岸へ。
まじかで見ると、青く透き通っている。王都の海よりも、輝いて見えた。
初めは服のまま海沿いで楽しむつもりだったのだが、海に行くと、みんな見たこともない露出度が高い服を着ている。
男はパンツ一枚、女は胸のあたりにブラジャーのようなものと、キュッとしたパンツのようなものを着て海の中に入って楽しんでいる。
なんというか、とってもセクシーだ。
何だろうかと興味津々に見ていると、ウィンが肩をたたいてくる。
そして、ウィンが肩をたたいた方向に視線を向けた。
そこから、楽しそうに露出度が高い服を着た人たちが楽しそうにしゃべりながら出てきているのが見えた。
あそこに何かあると思い小屋に入ってみた。
「とりあえず、そっちに行ってみようか」
「──はい」
ウィンは、目を輝かせてあの姿に興味津々だ。もしもウィンがあんな服を着ていたと思うと──想像するだけでドキドキする。
中に人がいて、説明を受けた。あれは水着と言うらしい。それで、水に入って遊ぶことが出来るようになっているというのだ。
確か、王都の海岸であんなのを着て、海辺で遊んでいるのを見たことがある。俺は興味なかったから来たことはなったが。
「せっかく海に来たんだし。入って遊びなよ。レンタルするよ」
受付のおじさんが、明るい様子で進めてくる。値段は、そんなに高くない。ウィンの表情を見てみる。
ハンガーにかけてある水着を、目を輝かせながら興味津々そうに見ている。
明らかに「着てみたい」って表情。
それなら、話は決まった。
「2人分、レンタルお願いします」
「あいよ」
そして俺たちは、おじさんからいくつかの水着を受け取る。
まず俺、オーソドックスな茶色いパンツ。
他にカラフルなパンツだったり、ブーメランのような形状をしているものもあったがなんか派手なのは恥ずかしいし、それが一番安かったのでそれにした。
俺は、別に着飾る必要はない。むしろ、お金をかけてでもかわいくしなきゃいけないのはこっちの方だ。
「これにしました。見てください」
ウィンが、試着室から出てくる。俺が短時間で選んだ後、ウィンの水着を2人で選んでいたのだ。
ピンク色のかわいらしいやつとか、あとマイクロビキニとかいう局部以外全部露出している奴もあった。
ウィンは、顔を赤くして恥ずかしがりながらもそれをもって試着室へ行こうとした。
あまりの刺激的な水着に、俺が引き止めたのだが。
さすがにエロすぎる。ウィンもそんなの着ようとするなよ……。
その後も、何種類かの水着を試着した後、最後の試着に入ってその姿を見せてきた。
「ガルド様、終わりました」
そう言ってウィンは、スタイル抜群の水着姿の身体を見せつけてくる。胸が露出していて、とっても官能的な姿。
白を基調とした、フリフリが付いたかわいらしい水着。下の方は、大き目なお尻のラインを強調するようにセクシー。
そして上。大きな胸が強調されている
かわいらしい飾りを持つ水着が、ウィンの小柄な体系に、すごい似合っていた。
そしてウィンは、まるで見せつけるように、胸の谷間を寄せてくる。
「ガルド様、どうでしょうか?」
ウィンの豊満な胸の谷間に、自然と視線が吸い寄せられてしまう。
ウィンはそれを察したのか、顔を真っ赤にして目をそらしてしまった。
まずい──さすがに失礼だ。邪念を振り払うように顔を振ってから慌てて言葉を返す。
「すごいきれいで、ウィンによく似合っているよ」
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