第56話 区画整備をしましょう①

 あのあと、ルシフェルから聞いた話だと、ダイヤモンド・ドラゴンは、魔国にしか生息していない魔獣ではあるが、目撃情報も千年に一度あるかないからしい。


 とても強いが、臆病でもあるのらしく、鱗がダイヤモンドで、とてつもなく硬くほとんどの攻撃は無傷で防がれてしまうのに一撃で倒せないと逃げてしまうとのことだった。


 遭遇することも稀で、倒すのがかなり困難で、肉も鱗もとても価値があるので、鱗だけであれだけの額になってしまうらしい。


 三ヶ月が経ち、遂に区画整備する日がやって来た。


「カイル兄様、住居はこの辺でいいですね」


「ああ、農業区画は、もう終わったのか?」


「はい。土地を広げるだけでしたからサクッと終わりましたよ」


 農業区画は、開拓予定だった魔の森を狩り場として利用するために残すことになったので、魔の森を少し切り開いて、農業をやりたい住民の土地を確保した。


 領主邸のある場所からだと二つ隣の村だった、マリアンナさんが村長をしていた村からナダルさんが村長をしていた村の手前までと魔の森の一部だった土地を農業区画にしたので、広大な畑ができた。


 そのため縄張りがあるので、魔獣は森から出てくることはないのだが、念のために伐採した森の分だけ町の領土が広くなったので、結界を張り直した。


 住居区画は、領主邸があるハルクさんが村長をしていた村から隣村のナダルさんが村長をしていた村までの土地となる。


 住民も増えたし、村の間にある森を伐採して、家を建てられる土地を増やした。


 元あった家とかは、三ヶ月前に建てた魔族たちが住むマンションも含めて、魔法で解体し取り壊してある。


 家財道具などは、各家庭にアイテムバッグを配布したので、必要な物はアイテムバッグに、不要な物は集積所を作って、そこに集めるようにした。


(創造魔法クリエイト、建築スキル発動)


 一軒家やマンションを次々と建てていった。


 ルシフェルが管理人をしているマンションを見た住民たちの中に区画整備後にマンションに住みたいという人がそれなりにいた。


 なので、十階建てで、各階に十部屋あるマンションを五棟建てることになった。


 管理人は、各種族から一人出してもらうことになっている。

 魔族からの管理人は、ルシフェルに決まっている。



 部屋の広さは、一人暮らししたい者だったり、家族で住みたい者だったり、友人や恋人と住みたい者など様々だったので、建てた後にどのくらいの広さが欲しいか聞いて、お屋敷馬車と同じように空間魔法で各部屋内を拡張することにした。


 一軒家の方は、以前と同じレンガの家だが、マンションは鉄筋コンクリートにした。


「全部、建て終えた」


 その後、マンション暮らしの希望者から希望の広さを聞いて部屋を拡張していった。


 各マンションの一部屋一部屋をイメージして、魔法で建てるより、全部同じ広さの部屋のマンションを建ててから部屋を拡張した方が楽だと思った。


 しかし、一軒家やマンションは一瞬で建てれちゃうし、解体や伐採も魔法ですぐできたしまったが、空間拡張は、五棟あるマンションの一部屋一部屋を廻らないといけないので、部屋の拡張が一番時間がかかった。

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