第17話 暑い、あれ作ろう①

 私の専属やカイル兄様の専属、ゾイルさん、マキさんやハルク町長さんや村人にもスノーを紹介した。


 スノーは、村の子供たちに大人気で、子供たちと一緒に遊んでいた。


 各村には、そのうちに紹介しに行くつもりでいる。


 あと、聖獣フェンリルを従魔にしたので、国王陛下への報告、あとギルドで、冒険者登録と従魔登録が必要だから、近いうちに王城に報告に行くことなりそうだ。


 一応手紙で、聖獣フェンリルと従魔契約を結んだことは伝えてある。


「暑い……」


「仕方ないですよ。アイリスお嬢様、夏が近いのですからね。」


 私は、暑いのも寒いのも苦手だった。前世での話だが……


 去年までは、特にそういうことは、なかったのだが、何か体に変化でもあったのかな?

 前世の記憶持ちの魂が体に馴染んできたとか……


「こういう時は、魔道具作るしかないよね」


「アイリスお嬢様、またやらかすおつもりですか!!」


 私は、便利になったり、快適に暮らせるように魔道具作ったりしているのに……皆、すぐにやらかすって言うんだよね。


 その割には、当たり前のように使うんだから、酷くないかな。


「皆も快適に暮らせるようになるし、いいことなんだからいいじゃん」


「まあ、そうなんですけどね。そう頻繁に作られるとカイル様も対応が大変でしょうし、今は、貸し出したり、渡しているだけですけど、販売をすることになった場合に錬金術ギルドの登録、ご自身で商売するなら商業ギルドにも登録が必要となります」


 色んなギルドに登録しないといけない可能性もあるのか。面倒だな。


「この町にいるだけなら、アイリスお嬢様が張られた結界があるので、取り敢えずは安全ですが、外に出ると危険も一杯あるんですよ。アイリスお嬢様はのほほんとされてますから更に心配です」


 拐われたりとかあるから危険なのはわかっているよ。


 だから、私が作った魔道具を販売することになった場合には、私が考案者だって、わからないように手を打ってもらうよカイル兄様にね。


「それで、どんなものを作ろうとお考えなのですか?」


「部屋の中を暑い時には涼しく、寒い時には暖かくしてくれる快適に生活できる魔道具だよ。各部屋に設置できるように小型のものにしようかと思っているよ」


「画期的ですね。私も欲しいです。 寝苦しい夜もこれで、今夜から快適に寝れます。さあ、早く作ってください」


 アリスさん、現金すぎやしないかい。あれほどやらかすとか言っておいて……


(創造魔法・クリエイト)


 私がそう念じると、十センチ四方のキューブ型の魔道具が三百個出来上がった。


 一応、ちゃんと思った通りのものが出来たか鑑定で確認してみようかな。


(鑑定)


 冷暖房魔道具


 製作者:アイリス・フォン・アリステラ


 性能:触れて魔力を流すことで起動し、部屋の広さ、室温を把握して、室内を快適な室温にして保つ。


 魔石が空気中の魔素を取り込む仕組みになっているため、魔石の交換不要。


 補足:魔道具師、錬金術師でも製作可能。


 うん。ちゃんと思った通りに出来ているね。


 補足によると私の創造魔法じゃなくても作れるみたいだから、販売するとしたら信頼できる魔道具師や錬金術師を見つけやってもらえばいいですね。


「できたんですね」


「はい。試してみましょう」


 私は、冷暖房魔道具の一つに手を触れ魔力を流した。


「わあ、すごいですね。アイリスお嬢様。一瞬で部屋が涼しくなりましたよ。これなら皆も喜びますよ」


 私は、屋敷内の主要な広い部屋に設置したあと、カイル兄様、専属たち、ゾイルさん、マキさんに魔道具を渡していった。


 そして、ハルク町長やこの村の村人たちに各家人数分+一個魔道具を渡して行った。


 その後、スノーの紹介を兼ねて、スノーに乗って、各村に渡して廻った。


 皆からとても感謝された。


 ファーミユの町民には、アリステラ公爵家が長年、苦労させてしまったので、お詫びの意味で、生活用の魔道具は、しばらく作ったら無償で提供しようと思っている。


 スノーも皆から受け入れられてよかった。


 スノーは、私が造った魔動馬車より早かったが、自分の周りに結界を張ったので、風の抵抗を全く受けず、移動できた。

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