第2話 誤算

おとなの言うことを聞かない、その小さな子は。


おとなの言うことを茶化して聞いていましたが。


なんのことはない、おとなたちが発する思惑の通りに動くように、生きていたのでした。


本当にはピアノを習いたかった。


でもピアノって高価なもので貧乏なウチでは負担が大きいのだろうなと思いました。


エレクトーンを習いました。


本当にはエレクトーンのほうが、新しい機種を買い替え買い替え、その子の知らないところで誤算が出ていたのです。


お金を出してやることに厭わない母親でした。


何を思っていたのでしょう?


その小さな子は、途中から気づいて罪悪感を覚えました。


それは、いつの事だったでしょう?


その子が、もっと大きくなってからの事かもしれません。

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