夜のワンピース
夜と暗闇のはぎれでつくったワンピースは
つぎはぎだらけの真っ暗な世界
夜 暗闇
暗闇 夜
広がる漆黒をまとって
わたしは夜に溺れている
何も見えない闇にのみこまれたまま
時は流れ
夜は明けた
夜のはぎれは朝を迎え明るい光を放つ
けれども夜の一部は闇にのまれて
漆黒のままだった
まだら模様になったワンピースをわたしは愛した
暗闇の中でわずかに発光するワンピースを着て
わたしは裾をひるがえす
また時は流れ
夜を迎えた
朝のはぎれは夜の訪れに闇を宿した
けれども闇の一部は朝の光に照らされて
自身も淡い光を放ち続けた
模様を変えた光と闇のワンピースもわたしは愛した
ワンピースをまとうわたし自身も
愛しく思えた
夜の闇にのまれてもわずかに輝く体を抱きしめて
浅い眠りについた
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