第3話 状況整理
電話の相手は幸だった。
「お兄!どこにいるの!朝起きるとどこにもいないし!」
など、幸からの言葉攻めがはじまった。
謝りつつ話を聞いて幸が落ち着いてきた所で今の現状を説明した。
最初はすごく疑っていてまた怒りだしそうだったが、ビデオ通話に切り替えてショッピングモールや渋谷の様子を見せると、にわかだが信じてくれた。
「とりあえず母さんには言わなでくれ。心配するから。」
と言うと、「わかった。」と言ってとりあえず落ち着いた。
「状況整理するからまた後でかけなおすな」
と言い電話を切った。
そして一度気になったことがあり、それは渋谷のスクランブル交差点のLIVE配信だ。
それを見てみると、やはりLIVEにはたくさんの人が交差点を歩いている。
「向こう側の状況は見れるんだな」
なんとなく理解してきた気がする。
そしてもう一人さっきメールを送って信じて貰えなかったたくやに電話をかけて妹と同じように説明をして、なんとか信じて貰えた。
そしてたくやと二人で状況整理をした。
まず、僕だけが誰もいない地球のコピーのような世界に飛ばされたこと。
地球では僕は存在していないこと。
地球に存在するものはこちらの世界でも生き物以外は存在すること。
SNSを通して地球にいる人と会話ができたり、向こうの状況がわかったり、こっちの状況も向こうに発信することができる。
そして、地球の時間とこちらの世界の時間はシンクロしていること。
今のところ分かっているのはこの五つだけだ。
状況整理をしているうちに気が付けばもう夕方になったので母さんやさちのことがあるので、一旦電話を切り、近くのホテルに向かい母さんに電話を掛けることにした。
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