太陽
「今日は楽しかった?」
君はか細い声で言う。ベットに横たわる君を見ていると胸の真ん中が痛くなってくる。なんで君がこんな目に合わなきゃいけないんだ。
「今日さ~高野にめっちゃ怒られてよ、マジでウザかったわ。宿題忘れただけなのに、おかげで病院に来るの遅れちまった。」
俺は今日あった出来事を語る。
そう早く会いたかった。君に
「それは太陽が悪いでしょ~高野先生も太陽の事を想って怒ってくれてるんだよ。忘れちゃダメだよ。」
「そうか~?高野は怒りてえだけだと思うけどな。それより身体は大丈夫か.....?」
俺はルナに聞いた。
「うん。今は調子いいよ。」
ルナは静かに言う。部屋に静寂が流れる。ルナはあとどれくらい生きれるんだろう。少しでもルナと一緒に居たい。ルナと離れたくない。
静寂を破るようにルナが口を開く。
「私、生まれてよかった。太陽にも会えたし!本当はもう少し生きたいけど、まあしょうがないよ!!」
君は嘘をつく時目を逸らす。分かってる、本当は君が死にたくないって思っていること。君が毎日、張り裂けそうな胸の痛みに耐えながら暗い夜を過ごしていること。
俺は君とずっと一緒に居たい。学校なんて行かず君と一緒に居たい。君の居ない世界なんてつまらないよ、ただ淡々と時間が流れていくだけ、そこには溢れかえるような情熱も、高鳴る胸の鼓動もない。嫌だそんな世界。
そんな世界を考えているとこらえきれず涙が出てくる。情けない、君のほうが泣きたいだろうに。俺が泣いてしまっている。本当は俺が寄り添ってあげないといけないというのに。俺は無様にも君の前で涙を流している。
「太陽、大丈夫だよ。私、大丈夫だから.........」
ルナは涙ぐんだ声で言う。
神様お願いします。俺の愛する彼女を連れてかないでください。どうかお願いします。彼女がなにをしたというんですか!!!ただ生きていただけじゃないですか。
ただ毎日を生きていただけじゃないですか!!。
神様お願いします。どうか.......どうか...........ルナを...........
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます