《主催者の覚え書き》より

ルール説明~地名説明

 【ルール説明】

・"悪意"に魂を侵され、完全に影に呑み込まれた者から"脱落"する。

・交戦やかたり合いで"悪意"が付け入る"傷"を与え、相手陣営を壊滅させれば勝利。しかし、勝利陣営の"脱落者"は、"勝者"と認められない。

・例外として、勝敗が決するまでに"赦された者"は、結果や陣営に関係なく"勝者"となる。


・交戦による負傷などで、死によく似た"昏倒"の状態に陥る。時間が経過すれば自然に目覚めるが、負傷状態によって昏倒時間は変動する。

・"昏倒"している間、魂は無防備な状態の為、より"悪意"に侵されやすくなる。

・"昏倒"の直前に"医師"が《祈り》を捧げた場合、"悪意"の侵食を遅らせることができる。


・各陣営ごとに"拠点"が用意されている。

・"拠点"にある"牢屋"に、捕縛した相手陣営の"捕虜"を収容できる。その場合は最低1人を、"看守"として見張りに残さなければならない。

・"捕虜"の身柄に関する全ての権限は、"主導者"が持つ。


・参加者はそれぞれの個性に結び付く"魔法"を扱い、ゲームに貢献する。生前、最も思い入れのあった品に"魔力"が宿り、"魔法"を扱う度に代償として"理性"を払う。

"理性"は"悪意"を退ける唯一の手段である。

・ゲームは"オープンゲーム"、"ミドルゲーム"、"エンドゲーム"の3セットに分かれる。1セットの終了はゲームマスターが知らせ、小休憩を挟んで次のセットへと入る。


 【陣営と役職】

●黒

レゾン・ラントカルテ(主導者)

アインザック・メルセリオ(前衛)

ロゾール・ヴァニタス(医師)

シルバ・グラート(遊撃)

ミルト・クライン(後衛)

フィガロ・デルゼルド(協力者)


〇白

ティオ・ロックフォーゲル(主導者)

ギルバート・ケイアス(前衛)

カイムラル・メイト(医師)

アレン(遊撃)

ジークフリート・ハイドワイズ(後衛)

セシル・アイト(協力者)


 【役割詳細】

"駒"とそれに付随する"役割"は、生前の知識や経験をもとに選定される。

しかし双方の同意があれば交換が可能。


 "主導者"(キング)

・陣営を指揮する存在。主導者の《命令》には絶対的な権限があり、場合によっては強制的に同陣営の者を従わせる効力を持つ。

・1セットにつき一度、双陣営の"主導者"同士で《取引交渉》を行う権利を持つ。内容は問わない。

・"協力者"を《招集》し、"昏倒"した者が目覚めるまでその代わりを務めさせることができる。


 "前衛"(クイーン)

・前線での交戦が主な役割

・"主導者"の《命令》に対し、《異議》の申し立てができる唯一の存在


 "医師"(ビショップ)

・《治療》と《祈り》ができる唯一の役職

・各々が使用できる魔法とは別に、以下の魔法を扱う


魔法:「アニマ・トリアージュ」

・"医師"の役職に付随する、治療回復に特化した魔法

・負傷の場合は"医師"が患者に触れるとどこからともなく花びらが舞い散り、程度により花びらが4色に分類される。

・病や毒による中毒の場合は、進行の程度に比例した大きさの波紋が患者の足元に広がる。

・色の分類は以下の通り。


黒:既に"昏倒"、または直ちに処置を施しても"昏倒"を免れない場合

赤:重篤な状態で、一刻も早い処置が必要

黄:魂の拍動は安定しているものの、早急な処置が必要

緑:患者本人が"軽傷"だと主張する場合(必ずしも"軽傷"とは限らない)


・"医師"が花びらや波紋に手を触れると、負傷状態などの詳細が見られるようになり、それらを参考に《治療》を進めることができる。しかし、原因の特定はできない。

・代償は小さい。


 "遊撃"(ナイト)

・各役職の補佐にあたる。

・積極的に陣営の勝利に貢献しない者、又は人道を大きく外れる"主導者"に対し、正義の名の下に《制裁》を加えることができる。


 "後衛"(ルーク)

・物資の調達と"主導者"の護衛が主な役割

・1セットに一度限り、"主導者"を守護する目的で《キャスリング》を行うことができる。条件として、"後衛"が無傷であることが求められる。


 "協力者"(ポーン)

・"喫茶店 エコー"にて物資や食事の販売業務にあたる。

・しかし"主導者"からの《招集》があれば、必ず応じなければならない。


 【ゲームマスター】

・主催者に代わり、ゲームの進行役を担う。

・禁止行為があった場合にはすぐさま《警告》を示し、それでも違反を繰り返す者を強制的に"脱落"させる権限を持つ。

・《取引交渉》の際、立会人として話し合いの場に同席するものとする。


 【禁止事項】

・"昏倒"した者への必要以上の追撃

・治療中の"医師"への攻撃

・《招集》を受けていない"協力者"への無意味な攻撃

・"捕虜"の対する無意味な暴力行為


 【地名説明】

 ●ルグレの街

人々が"死後の世界"と呼ぶ場所。

正確には"あの世"と"この世"のはざまに存在する街で、赤レンガ造りの建物が数多く並んでいる。

甲斐甲斐しいまでに端正に整えられた閑静な街並みは、さながら完成した絵画のよう。

せいみゃくも感じられない静寂の中では、空を満たす星々も瞬きすら遠慮しているようだ。

"生前"の記憶によって様々に印象を変える景色に"きれい"と息を呑むか、"キライ"と目を逸らすのか。それは坂のふもとに佇む"あなた"しだい。


 ●ロゴス坂

街の中心に位置する緩やかな坂。

坂を上った先には大きな時計台があり、坂のふもとには大きな湖がある。

この坂を中心にして、左右線対称にルグレの街並みが広がっている。


 ●ココン・ルティの時計塔

ロゴス坂を上った先にそびえ立つ、巨大な時計塔。

一見すればただのレンガ造りの建物に思えるが、よく目を凝らして観察してみると、動き続ける無数の歯車が見えるだろう。

レンガのひとつに至るまでが機械仕掛けとなっているが、各々の部品はネジやバネなど、極めて単純なもので形造られている。


 ●ギオンの湖

星あかりすら吸い込むような暗澹たる湖面は、薄く氷が張ったように波立つことは無い。

ボートに乗り湖面を覗き込むと、現世の様子を伺える。

不思議な事に、この穏やかな湖でボートが転覆していたとの報告がたびたび上がる。

報告書には毎度"破損・不具合無し。定刻通り運航を再開"とあり、ルグレ製ボートの頑丈さがよく分かる。

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