痕跡

「どう?何か見つかった?」

キブリが飛んで買ってきたサンドイッチを頬張りながら成果を聞く。

「ウウン…僕に関することは特に何もダッタ…。」

「僕に関すること?それ以外でなにか見つけたの?」

そう言うとキブリは手に持っていた看板のようなものを見せてくれた。

そこにはこう書かれてあった。

【池田工務】

〈なんでも直せます〉

〜☆素敵な力で世界を再生☆〜


「ここはきっと…池田工務というお店の持つこうじょうだったみたいだネ…で、この池田ナンダケド…コレってルミちゃんのファミリーネームだよネッ…?」

胡散臭…ッッて!池田!?私の苗字!?それに素敵な力ってもしかして魔法の事…!?

「キブリ!これここで拾ったの!?」

「ウン!隣の棟から見つけたんダ。もしかしてこれ…」

もしこれが仮に私の家系だとして…いやでもおかしい。私は一人っ子で両親はもう居なかった。

親戚…?でも魔法は使えるのは私とママとおばあちゃんだけ…。違う。これはきっと…私とは関係ない。

「ううん、多分私とは違う。池田なんて、世にたくさんいるし。ああ勿論今はわかんないけどね。この工務店っていつ出来たか分かる?」

「オッケー!イマケンサクシテルヨ!」

キブリの目からタブが飛び出した。おそらく調べてくれている。とんでもない光景だ。未来、すご。

「ヒット!池田工務自体は2025年に、この工場ハ2028年にデキテルヨ!つまりDESTINO CITYになる前からある老舗だネ!お、ロゴもあるヨ。ルミもミル?」

私は食らいつくようにそのサイトを見た。

そこにあるロゴは、確かに私の知っているものだった。うちの、代々伝わる家紋だった。

「アア後、シャチョーサンは………」

キブリは途端に言葉を発さなくなった

「ちょ、ちょっと何、社長は?誰なの?」



「池田…瑠ミ。」

「…え?」

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