第25話 陰キャ警報:球技を選び時は慎重に

家に帰った僕は自分の部屋でずっと考えていた。

そう、何の競技に出るか。

ここは僕の命運を分けるだろう。

この球技大会で種目次第で自分の印象は一気に変わるだろう。

なるべく、印象は良くしておきたい。

しかし、目立ちすぎるのも良くない。

僕は目立つのが正直、好きではない。


「ここはやはり…」


少し目立ちづつ、目立たない、そんぐらいの競技、それは!


「…ないな」


競技を確認すると僕の条件に当てはまる競技は一切ない。

てか、100メートル走とか入れろよ!

明らかにギャップがありすぎる。


「ここはやっぱり、目立たない方にするか…」


しかし!、ここで印象をつけないと、後々友達ができなくなる可能性がある。

浅く広い関係を築くのが一番友達ができやすいという諸説がある。

それを考えるとやはり目立つ競技に出るべきなのか。


「…悩むな〜」


どうすればいいんだ、どうすれば…

そんな悩みを抱え、ひたすら考えた。

考えて、気付いたら…当時の金曜日になっていた。

その間は特に何もなく、玲香が絡むことなく、金曜日を迎えた。


「どうしよう…」

「祐樹、まだ決めてないのか?」

「うう、悩むだよ〜」

「別に自分がやりたい競技にすればいいのに、どうしてそんなに悩むんだ?」

「いや〜それは…」


言えない、源くんと蓮くんには言えないよ。

そうやって悩んでいると、6時間目のチャイムが鳴る。

競技決めが始まり、先生が教室に現れる。

「みんな決めたか?そういえば、言い忘れてたんだが、リーダーはクラス対抗リレー強制参加だから、二人のうちどっちが出るか決めておけよ」

え?今なんて言った?


「おいおい、祐樹!強制だってよ、強制って、祐樹?」

「固まったな」

…数分後

「は!」

「お、祐樹が意識を取り戻したぞ」


黒板を見るとそこにはクラス対抗リレーの枠に水森祐樹の名前が記してあった

「一体、どうなって…」

すると、蓮が僕の肩を優しく叩く。

「祐樹、頑張れよ」

「は、はい」

僕は諦めた。

球技決めが終わるとほぼ同時にチャイムがなる。

「よし、お前ら、席につけ」

あちこちで喋っていた生徒が自分の席に戻る。

「球技大会は来週の4月22日、体操服は忘れるなよ、連絡は以上だ」

そう言ってみんなでさよならを言って4人で帰宅した。

もちろん、4人というのは源、蓮、雫、僕の4人だ。

もう、雫と帰ることが当たり前になり、僕も慣れてしまった。


「ねえねえ、祐樹、あんた種目クラス対抗リレーになったってほんと?」

「さー何も聞こえないな」

「祐樹ならクラス対抗リレーだぜ」


源!余計なことを!

雫の顔を見るとニヤニヤとした顔で僕を見つめる。

「そうだったんですか〜かわいそうに」

ゲラゲラを笑う。

外から見たらものすごく羨ましいと思うのだろう。

実際に雫は最近、クラスで人気者になっているらしい。

しかし、僕はこいつが嫌いだ。


「祐樹くん〜かわいそうにね〜」


こうやって煽ってくるからだ。


「お前は球技なんだよ」

「私ですか?私は借り物ですよ」

「え〜僕と一緒なんだ」

「蓮くんに負けませんよ!」


ハァ〜そのまま僕に話しかけないでくれ、ただでさえ、悩みが多いのに。

あれから、奈々から話しかけられることもなく、例の女の子にも、だからこそ、怖い。

「祐樹〜祐樹〜聞いてますか?」

僕の顔を覗く雫。

こいつは本当に人の距離感を知らないのか?

「聞いてないよ」

「何で|聞いてないんですか!」

「そうだぞ〜祐樹〜」

「そうだ、そうだ」

悪ふざけで蓮と源も雫に続く。

「お前らな〜…」

すると丁度分かれ道に着いた。

ここで僕は右に残りの3人は左の帰り道…

「じゃあ、バイバイ」

「あ〜逃げるのか!」

「バイバイ」

僕はそのまま帰りました。

玄関の扉を開けると藍が丁度、リビングに入ろうとしていた。

「お兄ちゃん…おかえり」

「ただいま」

「どうしたの?顔色が悪いけど」

「何でもないよ…」

「そう、ならいいけど」

そのまま自分の部屋に向かう。

ベットにジャンプして横になる。

「なんか、疲れたな〜」

大したことはしてない、ただ精神的に疲れた。

明日、土曜日…

明日は出かけるのはやめよう。

ほんとにストレスが溜まる。

学校は楽しいのだが…

「1週間ぐらい休みたい」

瞼が重く感じる。

僕はその身に任せた。


・・・・・・・・・・


久しぶりの投稿になりました。

次の投稿は25日に行います。

ストレスのあまりの書いた四作品目、結構雑ですが、読んでみてください。

読んだ感想などコメントしてくださる嬉しいです。

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