第1話 中学時代の陰キャ生活
今の時代、学校には2種類の人間に分かれている。
明るく振る舞い、コミュニケーション能力が高い陽キャ。
薄暗く、隅っこで本を読み、コミュニケーション能力が低い陰キャ。
小学校までは分け隔てなく平等な生活を送ることができるだろう。
しかし、中学に進学すれば、そうはいかない。
中学生に進学すると少しずつ、陽キャと陰キャに分かれていく。
そんな世の中、こんなことが囁かれている。
「陰キャは高校生ライフを楽しむことができないと、、」
中にはこれを否定する者もいるだろう、しかし陽キャのほとんどがこの考えを持っていることだろう。
今の世の中、そんな考えが当たり前になっている。
そんな世の中、陰キャの最近の考えは大人しくしたり、隅で本を読んだりと遠慮しがちになっている。
学生の時間、特に高校生活は人生の中で一番楽しい時間のはずだ!
それを自分は陰キャだからと、大人しくして、高校生活という楽しい時間を無駄にしている。
(陰キャが全員をそうだとは限りません)
僕はそんな時間を過ごしたくない。
だから僕は僕なりの陰キャなりの高校生エンジョイライフを送ってやる!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そう考えになる前の中学三年生の春頃、、、
俺、水森祐樹は受験勉強するために図書館で勉強をしていた。
周りを見渡すととても静かで祐樹は机に向かって手にシャーペンを持って励んでいた。
僕は小学校と中学校の生活の中で友達は数えるほどしかいない。
もちろん、彼女も今までの人生でいたこともない。
世間で言う陰キャというやつだ。
図書館で勉強を一通り終えて、窓を見ると外が暗く、祐樹は背伸びをする。
「もうこんな時間か、、」
祐樹は「こんな時間か」と思い、教材を片付けていると、勉強しすぎたのか、手元が緩み、教材を落としてしまった。
それを取ろうと膝を折りながら教材に手を伸ばすと、自分の手より先に誰かが僕の教材を取ってくれた。
僕は、上を見ると、一人の女の子だった。
「あの……どうぞ」
「……ありがとうございます」
少しだけ沈黙が続いた。
「では…」
女の子はそのまま後ろを向いて図書館の入り口に向かった。
僕は今まで女の子に話しかけられたことがなく、むしろ女の子に避けられていた。
「緊張した〜」
初めて女の子と会話を、、これは陰キャ脱却!と思うほどに緊張と同時に嬉しかった。
時間を確認するともう20時を過ぎていた。
「やばい、門限が!」
祐樹はそのままダッシュして家に帰った。
家に帰った後は普通にご飯を食べて、お風呂に入り、受験生なので0時まで勉強して寝る。
朝、起きて朝食を食べて、学校に行く。
中学では話せる友達は3人ぐらいしかおらず、基本、放課もずっと勉強している。
受験生だから、これが当たり前だと思うが、陽キャは違う。
陽キャだから、受験勉強してないとは言わない、むしろ、陽キャだからこそ、頭がいい人が多い、僕はそんな感じがする。
だけど実際、陽キャの人たちの方が友達も多い、助け合いもできる。
僕は心のどこかで羨ましいと思っているのだろう。
毎日、学校が終わってら図書館に行って勉強している日々、一つ変わったことがあるとすれば、それは例の女の子だ。
彼女も毎日のように図書館に来ては8時には図書館を出ていた。
そんな中気があったのか、最近はよく一緒に勉強している。
陰キャの人たちからしたら、相当羨ましいだろう。
僕だってそう思う。
流石に志望する高校までは聞けなかったが、とても楽しい時間だった。
お互いに教え合いながら、勉強をする日々。
今まで部活もしたことがなく、つまらない人生だったが、初めて少し楽しいと思えた。
そんな楽しい時間はあっという間にすぎ、家の方向が真逆だったので、いつも図書館で「じゃあね」と言葉を交わして、家に帰る。
そんな毎日を過ごしていると、うちの妹が珍しく食事中に俺に声を掛けたのだ。
「お兄ちゃん、最近、楽しそうだね」
「……そうか?」
妹が珍しく僕に声を掛けてきたので驚いて少し間が空いて返事をした。
「確かにそうね〜最近のユウくん、なんだが楽しそね」
「受験生なんだから、気を緩めるなよ」
久しぶりにお母さんとお父さんと話した。
……親と話すなんていつぶりだろうか?
僕は基本受験生でなくても食事は無言で、親は妹とよく会話をしている。
……そうか、俺は楽しんでいるのか
時は進み、、冬休みが終わると例の女の子は図書館に来なくなった。
少し悲しくなったが、しょうがないと思った。
「そういえば、名前、、聞いてなかったな〜」
そのまま私立の高校の受験が始まる。
僕は滑り止めの私立の高校を受けた。
無事、終えた僕はすぐさま公立高校の勉強を始めた。
電車で勉強しながら、帰っている途中のことだった。
僕は電車の隅のところに座っていると、あるカップルが対面して隅に座った。
そこでものすごくイチャイチャしているのだ。
正直、ものすごく腹が立った。
……この陽キャどもが
そう思っているが、心のどこかでは羨ましいと思っている。
そんな自分に腹が立つ。
そのまま最寄駅で降りて、家に帰ったが、その日はなぜか勉強に集中できず、ずっと天井を見上げていた。
ずっと何か引っかかりながらも公立高校の受験が始まり、モヤモヤしながら受けた。
無事、公立は合格した。
もちろん、私立も全部合格していた。
案外あっさりした受験だったなと思った。
帰り道のことだ、ある二人のカップルの男の肘が当たると
「おい、お前!肘が当たったんだけど?」
「すいません」
僕は小さい声で誤った。
カップルは呆れたのか、そのままため息をしながら去っていった。
僕は安心する。
ああ言うやつはたまにめんどくさい奴がいて、下手をしたら、お金を巻き上げようとする輩もいるからだ。
(ただの偏見です)
しかし、こそっと通り過ぎる瞬間、カップルの男から囁き声が聞こえた。
「これだから、陰キャは、、」
その言葉にものすごく違和感を覚えた。
そのまま家に帰り、合格祝いをして、ベットで少し横になり考えた。
(僕はずっと学校はつまらないものだと思っていた。けど図書館での勉強は楽しかった。学校もこれぐらい楽しいといいなと思う時もあった。けど、、俺はどこかで無理だって割り切っていたのではないか?陰キャだから…陰キャだからと。でも、陰キャだからなんだ?別に人間と変わらないじゃん、)
ずっと考えた。考え続けた。
そして、、、
『決めた、、僕は高校生活を中学とは違う……陰キャでも高校生活をエンジョイする、、陽キャみたいな高校生ライフはできなくても、陰キャなりの楽しい高校生活を送ってみせる!』
そんな決意をした祐樹。
くだらないかもしれないけど、陰キャにとって本当に楽しい高校生活を送れる人は少ないと思う。
そんなくだらない決意をして、水森祐樹は春、高校生になる。
「2022年1月3日/改編」
・・・・・・・
久しぶりの投稿になりました。
理由は他の作品も書いていたのですが、初めて現代もの描いてたら、気づいてたら、他の作品の投稿を忘れていました。
この作品の1話を書くのに3日以上かかったのもあります。
明後日には一作品目の投稿をしようと思っています。
話は変わりますが、初めて現代ものかつ、ラブコメ的な作品を描いたので温かな目で読んでくださると嬉しいです。
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