第7話

そこまで聞くと私は市茂木田のことについて質問した。

桜田「滝見さん市茂木田清吾をご存じですか?」


滝見は驚いたようにこちらを見た。


桜田「ご存じなのですね。ぜひ市茂木田とこの研究の関りを教えていただきたい」


滝見は重々しく口を開いた。

滝見「元々市茂木田はこの研究の噂を調査しに来た日本新聞社の記者でした。しかしこの中で行われていることが市茂木田の予想をはるかに超える内容だったのでしょう。彼はすぐに記事を書こうとしました。しかし、この研究所の責任者である仁十重元大臣にこの研究のことは外部に漏らしてはならないと忠告を受けました。しかし、彼は妥協しません。そこで仁十重元大臣は彼に多額のお金を積みお金でしました。


そこからの彼はこの研究所の本来の内容とは異なる記事ばかり書いてきました。その結果、ネットニュースでもこの研究の実態が世に知られる機会を逃しました。彼がお金に負けずに研究の本来の記事を書いていたら数多くの子供たちの命が助かっていたのかもしれません。」


滝見はそれから一言も話さなくなった。国防軍に入隊した子供たちには研究で他の子供たちが全員死んだことは伝えたそうだ。


俺も子を持つ親である。こんなずさんで残酷な研究をした滝見を問いただしたかったがこの問題を起こしたのはそもそもと言えば責任者の仁十重茂樹(にとえしげき)元国防庁大臣が発端なのであろう。


だが幸いに仁十重が殺された連絡は来ていないため早急にこの連続殺人事件の捜査に関わる警察官を仁十重の自宅の周りと仕事場の周りに配置した。


「もも仁十重の警護多くない?」


もも「多いね。これ動画取りながら殺せるかな?」


「動画を撮るんだったら場所はこっちで用意するけどさ厳しそうじゃない?」


確かに警護が多い。ようやく警察も私たちの存在に気が付いてきたみたいだ。警察があの研究所のこと捜査をして全部発表してくれるんだったらこんなことはしなくていいが権力がすべてのこの日本でそんな危険を冒す警察官や記者はいない。


前回殺した市茂木田がいい例だろう。権力とお金に負けたが日本新聞社の編集長になれたのだ。こんなに美味しい話があるのに権力に盾突く訳なんてない。


それなら私が目立って研究所のことを捜査して発表しなければいけない状況に追いやるしかない。だから死んでね仁十重。


「ムクにも手伝ってもらう?」


もも「いや、ムクには手伝ってもらわないよ。ドラグノフ準備できる?」


「準備できるよ。はじめはどう思う?」


はじめ「いいんじゃないかな。本当にやるのもも?」


もも「そうだね。仁十重の次に殺す予定の池羽矢鳶信(いけはやとびのぶ)元総理も狙撃で良いんじゃないかな」


はじめ「この総理もすごいよね。あの医者に研究のことを報告されるまで良く放置で来たよね。まぁ確かにあの当時はそろそろ戦争が始まるのではみたいな風潮だったからね」


もも「でも子供たちにしたことはダメでしょ。あの薬のせいで長生きできないんだから」


はじめ「もも死ぬの怖い?」


もも「あの施設のみんなと会えるんでしょ。なら怖くないよ。」


そう言い私は眠りについた。

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