不運の象徴と呼ばれた少年、努力で異世界を無双する 〜努力で最強になった男の英雄譚〜

25．昇格

25．昇格

―――五分後

「おうリュート、もう帰ってきたのか！んで、どれが大きすぎて乗らないだって？確かお主の選んだ依頼は全部Cランクのもので、「薬草の採取：三キログリム」「ゴブリンの討伐：十体」「オークの討伐：七体」「鉄の採集（発掘）：一キログリム」「ポーションの製造：十本」の5つだったはずだが………そんなに場所を取るか？」

「いや、それがですね………」

　そう言って俺はストレージからまずゴブリンを取り出した。ミツキを直接襲っていた小鬼だ。しかし、マスラルの顔は一瞬で青ざめてしまった。

「おい、リュート。お主は少し感覚が狂っておるのか？」

　なんだ、狂っているとは………失礼じゃないか。

「別に狂ってなどいませんよ。ただちょっと襲われたんで、ちょいちょいっと返り討ちにしてきただけです」

「ちょいちょいっと返り討ちねぇ………このホブゴブリンは一体だけで十分Bランクの依頼になるんだぞ………んで、コイツはあと何体いるんだ？」

　これもゴブリンじゃなかったのかよ………

「ざっと数えて五十体くらいですかね。あぁ、あと “ゴブリンロード” っていう奴もいたんで、持ってきました！」

　途端、マスラルは何かヤバいものを見るように俺の顔とゴブリンロードの首とを見比べた。

「お主、マジで化け物だな。ゴブリンロードはSランクの魔物だぞ？」

「そうなんですか！他と全く変わりませんでしたよ？」

「わかった、わかった。もういいわい！じゃあ早く残りのものを出せ」

「ここでは狭いので………」

「あぁ、そうだったの。ほれ、裏側について来い」

「わかりました！それでは出していきますね。まず薬草が―――」

―――三十分後

　俺からの依頼達成報告を聞き終えたマスラルは何やら手紙らしきものを書いていた。だがその顔はもう何も考えたくない、といった顔だった。

　それもそのはず、俺が持ってきた薬草はエリクシール草と言ってどんな怪我も病気もたちまち治す万能薬エリクサーの原料となるもので、100グリムで1兆リタは軽く超える額がするそうだ。こんなものを市場に流したら、たちまちリタの価値が変わってしまい、市場が大混乱してしまうから出せないらしい。よって薬草採取依頼は達成ではあるが実際問題としてこのエリクシール草は高額すぎて買い取れないため、オークションに掛けられるそうだ。

　そしてそのエリクシール草を基に作ったポーションは当然万能薬エリクサーになってしまっていたらしい。なのでそれも市場には流せず、買い取りもできないのでオークション行きになるらしい。ってことは俺は龍殺しの森にいた間ずっと毎日この薬草（エリクシール草）を使って作ったポーション（エリクサー）を飲み続けていたってことか ⁉ それなら、今の俺の身体って………考えるのはよそう………

　さらに持ってきた “鉄” はオリハルコンという神様にしか生み出せない金属だったらしく、これもまた受取拒否＆オークション行きにされてしまった。じゃあ、これを原材料にして作った俺の刀は一体どんなヤバさなんだろう………

　しかし、オーク七体討伐はどうやら普通のオークだったらしくて受け取ってもらえた。なので今回の俺の今この場で手に入るお金は70000リタだけらしい。こんなお金で今後の俺の宿どうなっちまうんだよぉ―――！！

「よしっ、やっと書き終わった。ほれリュートよ、ギルドカードを出してみろ」

「あ、はい」

　言われたとおりにマスラルに渡すと、マスラルは首から下げたハンコみたいなものを俺のギルドカードに押し付けた。すると、ギルドカードの色がブロンズからシルバーに変わり、そこには “B” の文字が刻印されていた。

「おめでとう、リュート、これでお主はBランク冒険者に昇格じゃ！」

「あ、ありがとうございます」

　待てよ？こんなに簡単に冒険者ランクって上がっていいものなのか？

「あの……一ついいですか？」

「なんだね？」

「こんなに簡単に冒険者ランクって上がっていいものなんですか？」

「うーむ、ダメだろう！」

「ほぇ？」

　あまりにも堂々とした返事に思わず変な声が出てしまった。

「え、じゃぁこれは不正なんじゃ………？」

「いいや、お主はそれに見合った、いやそれ以上の力を持っておるからのう。別にそんなことは気にしなくていいんだ！」

　おいおい、そんなことって………ま、いっか！

「まぁ、わかりました。ちなみに俺ってまだ、ギルド直営の宿に泊まっていいんですか？」

「うん？もちろんだ！ただ、今までみたいにタダではないがな？じゃが、そこらの宿よりは絶対安いと思うぞ？」

「ありがとうございます！」

　そう言って俺が受付カウンターのある部屋に出ていこうとすると、さっきまでマスラルが書いていた手紙がふと目に入った。そこには『S（・）S（・）S（・）ラ（・）ン（・）ク（・）冒険者、ジュリア様』との文字が見えた。SSSランク冒険者か………一体マスラルは何をするつもりなんだろうか………

リュートのステータス

Lv：46497

種族：50％人間

HP：測定不能（エラー）

MP：測定不能（エラー）

装備：ローブ（等級：測定不能）、剣（等級：測定不能）、指輪（等級：測定不能）

獲得スキル一覧：（剣術系）縮地、絶対切断、次元切り、持久力、駆け足、神速移動、斬撃範囲拡張

（魔法系）苦痛耐性、錬金術、生活魔法、火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、雷魔法、聖魔法、闇魔法、時空魔法、空間魔法、ストレージ、ダストボックス、転移魔法、創造魔法、テイム、魔物意思疎通、魔物召喚、付与魔法、浮遊魔法、飛行魔法

（その他）手加減、自動解体、隠蔽、気配遮断

ユニークスキル一覧：ナビゲート、神眼、成長加速

称号：異世界人、苦痛に耐えし者、不運の象徴、修行バカ、ドM気質、ドMを極めしもの、剣神、魔帝、鬼殺し、神を模倣する者、神龍の友、空の覇者

加護：神龍の加護

鮮変万華の技：

『炎刃』一式「絶火」二式「不殺の炎」

『風刃』一式「殺爪」

『炎風刃』一式「炎嵐」

『氷風刃』二式「凍龍」

『吸魔の太刀』滅光斬

『彩刃』一式「輝夜の舞」