15.龍の友

15.龍の友

 ―――二日後

『ここはどこだ?あぁ、我はリュートなる人間に破れたのか………お、我に意識があるぞ?手足もついている。そうか、ここは神の間か………』

「バカかお前は ⁉ お前は俺が助けてやったんだぞ?少しくらい感謝しろよなっ!」

『神様にしては口調が悪いな。多分お疲れなのだろう』

「だーかーら、俺はリュートだっ!お前をぶっ飛ばしたリュートだっ!」

『………………今、我はなんと言っていた?』

「『ここはどこだ?あぁ、我はリュートなる人間に破れたのか………お、我に意識があるぞ?手足もついている。そうか、ここは神の間か………』『神様にしては口調が悪いな。多分お疲れなのだろう』なんて言ってたぞ?」

『あぁぁぁぁっ!貴様、このことは忘れろ!この神龍たる我がこんな馬鹿げたことを言っていたと知られれば、我の権威は暴落してしまう!』

「どうしよっかなぁ〜」

と俺が意地悪げに言うと、

『もし貴様が言わないのならば、神龍の加護とそれの他に色々なスキルをやろう。どうだこの条件は!』

「よし分かった。お前の提案を受け入れよう。ただし、一つだけ条件がある」

『なんだ、最強生物である我の加護とすごく稀なスキルでは満足しないというのか』

「違う、俺はゼロノス、お前と友達になりたいんだ!」

『友達だと?我は自分より強い者にしか興味はないわ!』

「あれ?そういえば……………、お前って誰に倒されて誰に助けられたんだっけ?」

『…………そういえば貴様に負け、そして助けられたのだったな。よし、よかろう!我は今をもって貴様の友となることを誓おう』

 あれ、コイツ、実は意外とバカなんじゃね?

「あ〜、あと、『貴様』じゃなくて、『リュート』って呼んでくれ!じゃっ、これからよろしくなゼロノス!」


《加護『神龍の加護』を獲得しました》

《『神龍の加護』により、ユニークスキル『神眼』『成長加速』を獲得しました》

《称号『神龍の友』を獲得しました》

《Lvが10001から46497に上昇しました》


 うわっ、いっぱい来たなぁ…………『神眼』とか『成長加速』っていかにもチート感満載まんさいじゃん?ようやく俺にもチートが来たーっ!神様、俺に何にもつけられなかったもんな…………

「なぁ、ゼロノス。これで俺はこの森を抜けられるんだな?」

『あぁ、リュート、お主はこの森の主であった我を倒した。すなわちこの森はもうお前のものだ!』

 ゼロノスはそう言って、ポン!と小さな爆発を起こした。煙の中から現れたのはイケメンな銀髪赤目の青年だった。

「えーっと、君はもしかしてゼロノスなのか?」

「あぁ、もしかしなくても我だ、ゼロノスだ!リュート、お主にこの指輪を渡そう。この指輪の装備者はこの『龍殺しの森』への出入りを自由にできる他、この森を色々改造できる権利が与えられるのだ。そして、いつでもここに帰ってこられるのだ」

 わぁ〜、結構キレイだ!俺の刀と同じ材質の指輪だな。

「へぇ〜、色々と便利なんだな。ところでまず俺は街に行きたいんだがどうすればいいんだ?」

「街に行く前にまずはリュートの装備を整えていかなくちゃならんな!」

「え?装備ならこの『鮮変万華せんぺんばんか』があるから問題ないだろ?」

「リュート、装備というのはな、鎧やローブ、ブーツ、杖や剣などのいかにも冒険者!という感じのやつだ」

「でも俺、鉄(?)で武器しか作ったことないぞ?ローブなんて作ったことないよ」

「よし、お主には我の牙と鱗をやろう。これで最強の装備を作るんだ!」

 ほれ、と言ってゼロノスは俺に大きい鱗を5枚渡した。

(しかし、どうやって作るんだろう?鱗を1ナノメートルくらいの繊維状になるまで、引き伸ばして…………)


 ―――2時間後

「ついにできたぞーっ!神龍の鱗5枚全部使ったローブには物理攻撃、魔法攻撃無効(相手が自分より弱い場合に限る)を付与することができたぜっ!やっぱり創造魔法便利だな〜」

 そう、俺はローブに付与をしたかったので創造魔法でスキル「付与魔法」を創造したのだ。でもおそらくこの付与魔法、かなりレアなスキルなのだろう…………たったこれ一個創るだけで全魔力の6割持っていかれたからな…………

「おめでとうございます、ご主人さま!もう、ご主人さまは無敵状態じゃないんですか」

『リュート、無敵?』

「いやまだだよ。元いたところではこれでもかというくらい、あらゆる知識を詰め込んで、武術を習ったけれど、終わりはなかったんだ。だから俺はまだまだ強くなれる!それに、この世界の人は俺の想定しているのよりも遥かに強いのかもしれないだろう?」

「そうですね、ご主人さま。獣人族やエルフ族などといった亜人種は普通の人間よりも強いそうですからね」

 獣人ケモミミにエルフ⁉ やっぱりいるのか!早く会ってみたいなぁ!

「よし!じゃあ街に行こうか!」





リュートのステータス

Lv:

46497

HP:

測定不能エラー

MP:

測定不能エラー

装備:

ローブ(等級:測定不能)、剣(等級:測定不能)、指輪(等級:測定不能)

獲得スキル一覧:

(剣術系)縮地、絶対切断、次元切り、持久力、駆け足、神速移動

(魔法系)苦痛耐性、錬金術、生活魔法、火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、雷魔法、聖魔法、闇魔法、時空魔法、空間魔法、ストレージ、ダストボックス、転移魔法、創造魔法、テイム、魔物意思疎通、魔物召喚、付与魔法

(その他)手加減、自動解体

ユニークスキル一覧:

ナビゲート、神眼、成長加速

称号:

異世界人、苦痛に耐えし者、不運の象徴、修行バカ、ドM気質、ドMを極めしもの、剣神、魔帝、鬼殺し、神を模倣する者、神龍の友

加護:

神龍の加護

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る