13.神龍(前編)
13.神龍(前編)
ヒュゥゥ―――!今までに感じたことのないほど恐ろしい風が、ここはもうボスの領域だと言わんばかりに吹いている。もう少し進んでみると、木がなくなり、そこには一体の銀色の
『人間ごときがこの我に何の用だ?』
プニタと話すためにスキル『魔物意思疎通』をずっと使いっぱなしだったからドラゴンの言葉の意味がしっかりと分かる。
「俺はこの龍殺しの森から出るためにこの森のボスであるお前を倒す!」
『貴様、我の言葉が分かるのか ⁉ 確かに我はこの森の主だが…………この場所をどこで聞いた?』
「プニタから教えてもらったんだよ」
『プニタ?そやつは貴様の仲間か?』
「あぁそうだ!ほらプニタ、挨拶しなよ!」
『やぁ、大っきいドラゴンさん久しぶりだね!ぼくだよ、あのスライムだよ!』
『おぉ、確かお前は100年くらい前にエンシェントスライムエンペラーに進化したと思ったのだが………お前はなぜそいつといるんだ?』
『ぼくはリュートと戦って全く歯が立たなかったんだ。だから、リュートと一緒に旅に出て、もっと強くなろう!って決めたんだ!』
『ほうその人間リュートというのか………スライム最強のエンシェントスライムエンペラーで歯が立たない人間か………興味深い』
「俺はこの世界じゃないところからやってきた、俗に言うところの異世界人だ」
『異世界人?あの時たま別次元の世界から送り込まれてくる人間たちのことか。ちなみに貴様はいつこの世界に来たのだ?』
「俺はだいたい1年半くらい前にこの森の端に落とされたんだ」
『なっ………やつらは基本、
「俺は1年半もこの森で人間に合わずして生きてきたからそろそろ人間に会いたくなってきてな………」
『なら我を倒すしかあるまいな』
「そうすれば、絶対にこの森から出られるのか?」
『あぁ、そうだ。出たければ、我に勝ってゆけ!』
せっかく異世界に来たのに、1年半も人の顔を見てないんだよ俺は!だから早く街にいって人の顔を見たいんだ!ここはなんとしても勝たなければ………
『では始めようか!』
「ちょっと待ったぁー!」
俺は急いでストップを掛ける。
『どうしたんだ?なにか不備があったか?』
「違う。俺はまだお前の名前を聞いていない!ちなみに俺の名は堺 竜斗!称号、『剣神』『魔帝』などを持っている!」
『ほう、わざわざ互いに名乗ってから戦おうというわけか!貴様、律儀だな。我は貴様みたいなヤツ、嫌いではないぞ?我は神龍ゼロノス、さぁ始めよう!』
あれ………?今あいつ神龍、って言ったよな………マジか!『神』ってついちゃったよ。めちゃくちゃ強そうだけど、なんか格好いい名前だな。
「もう一回待ったぁー!」
『貴様、ふざけているのか?』
「違う!プニタを肩に乗せたままじゃ危なくて戦えないだろ?プニタを一旦ストレージに避難させとくんだよ。ってことでプニタ、ストレージに入ってろ!」
『わかったよー!』
ちなみにプニタとはどれだけ離れていても会話ができることは実験で検証済みだ。まぁ俗に言う「念話」だな。これがスキル『魔物意思疎通』に含まれていたのはとてもありがたかった。
ゴォォォ!という爆音と共に真っ白なブレスが飛んできた。
「やばっ!」
思いっきり上に跳んで、ぎりぎりブレスを避ける。上空からブレス跡を見ると、ブレスに当たった木が消滅していた。
「こりゃー、
『ご主人さま、アレを使ったらどうですか?』
『そうだよリュート、アレを出しなよ!』
「そうだな、出し惜しみしてたらこっちがやられちまう」
俺は小さめにストレージを開き、そこから、一振りの刀を取り出した。うすい水色を含んだ銀色の刃の刀だ。実はこの刀、以前錬金術のスキルを獲得してこの森で金属を探していた時に見つけた綺麗な金属を使って作った俺の自慢の一作なのだ。この刀、「
リュートのステータス
Lv:10001
HP:
MP:
獲得スキル一覧:(剣術系)縮地、絶対切断、次元切り、持久力、駆け足、神速移動
(魔法系)苦痛耐性、錬金術、生活魔法、火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、雷魔法、聖魔法、闇魔法、時空魔法、空間魔法、ストレージ、ダストボックス、転移魔法、創造魔法、テイム、魔物意思疎通、魔物召喚
(その他)手加減、自動解体
ユニークスキル一覧:ナビゲート
称号:異世界人、苦痛に耐えし者、不運の象徴、修行バカ、ドM気質、ドMを極めしもの、剣神、魔帝、鬼殺し、神を模倣する者
鮮変万華の技:
『炎刃』一式「絶火」
『風刃』一式「殺爪」
『炎風刃』一式「炎嵐」
『氷風刃』二式「凍龍」
『吸魔の太刀』滅光斬
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