12.中心を目指して
12.中心を目指して
「プニタ、俺はこの『龍殺しの森』から出たいんだ。でもそのためにはこの森のボスを倒さなくてはダメらしいんだ」
『そーなんだ〜!』
「ちなみにそのボスっていうのはどこにいるんだ?」
『えーっとね、この森の真ん中らへんにいると思うよー!』
「この森の真ん中?」
『うん!この森にはね、真ん中に大きな広いところがあってー、そこにぼくが生まれる前からいるんだよー!』
「へぇー、そうなのか。じゃあまずはその開けた場所に行こうか…………ごめんプニタ、今ここどの辺?」
そう、行こう!と言ったはいいが、今現在自分がどの場所にいるかを全く把握できていなかったのだ。
『うーんとね、ここは多分森の端っこだと思うよー?』
「うぇっ、まだ端っこなのかよ…………あとどのくらいでつきそうだ?」
『だいたい普通にいけば5年くらいでつくよー!』
「ご、5年 ⁉ 」
『うん!でもリュートならもっと早くつくかもしれないね!』
単純計算で考えると、人が平地を一日に歩ける距離は約30キロだ。しかし、ここは木が
しかも道中絶対にゴブリンみたいな魔物に襲われるじゃん?俺生きて中心部までたどり着ける気がしねぇ………
「な、なぁプニタ、この森にはお前以外にどんな魔物がいるんだ?」
『ぼくを入れないとー、ゴブリン、ウルフ、オーク、トロール、ミノタウロス、ワイバーン、ゴーレム、ドラゴンなんかがいるよー!』
どれもよく聞く魔物だな。ドラゴンとかマジで強そうだな。できれば戦いたくない相手だ。
「だいたい魔物の平均Lvはいくつくらいなんだ?」
『ぼくのLvが350で、少し他より強いくらいだから、ここら辺のやつらは250〜300程度かな?』
「ここら辺、ってことは中心部にはもっと強いのがいるのか?」
『うん!だいたい平均が500〜1000くらいだよ』
500〜1000 ⁉ 俺、まだ580だぞ!100パーセント死ぬわ!やばい…………出てきた魔物全部倒して早くレベル上げしないとな!
―――半年後
「やっと着いたな………!」
『それにしてもまさか道中で流石にプニタさんが挙げた魔物がほとんど出てくるとは思いませんでしたね』
「そ、そうだな………」
(これも俺の『不運の象徴』だからなのか………?)しかし、素晴らしい発見もあった。
それは飯だ。オークは肉がとっても美味かった。味は日本で言う超高級豚肉って感じだ。ミノタウロスも美味しかった。黒毛和牛のような美味しさだった。その美味しさを忘れられず、今の俺のストレージ内には解体されたオークとミノタウロスが十体くらいずつ入っている。一体の大きさが5Mくらいなのでしばらくはなくならないだろう。
オークやミノタウロスを倒して、ストレージに入れるまでは簡単だった。しかし、血抜きをし、肉を適当な大きさに切り分ける、というのが非常に面倒くさかった。
そこで俺は初めて創造魔法を使ってみた。自分で『自動解体』のスキルを作ってみたのだ。スキル『自動解体』はストレージに入れたもので自分が解体したいと思ったものを適度な分量で均等に解体してくれるという優れもののスキルだ。ストレージに倒したオークやミノタウロスをまるごと入れて、「解体!」と念じれば、もう一回ストレージを開けたときにはキレイにお肉が肩、モモ、ヒレなどと綺麗に仕分けられているのだ。
しかしこの創造魔法、一回使うとかなり疲れる。魔力がごっそりと減ってしまうのだ。俺の “測定不能” の表示が出ているMPゲージでも三分の一くらい減ってしまっていた。だが、HPは全く減らなかったのでありがたかった。『魔帝』の称号で自動回復するのはMPだけで、HPまでは回復しないからだ。
俺のLvは魔物を倒しまくったせいで10000を超えていた。正確には10001だが、1でも超えてれば別に自慢してもいいだろ?
少し成長早過ぎねぇか?と思ったが、ナビさんによると、自分で修行するより、魔物を倒したほうがその魔物がそれまでに得てきた経験値を得られるから早く強くなれるらしい。
リュートのステータス
Lv:10001
HP:
MP:
獲得スキル一覧:(剣術系)縮地、絶対切断、次元切り、持久力、駆け足、神速移動
(魔法系)苦痛耐性、錬金術、生活魔法、火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、雷魔法、聖魔法、闇魔法、時空魔法、空間魔法、ストレージ、ダストボックス、転移魔法、創造魔法、テイム、魔物意思疎通、魔物召喚
(その他)手加減、自動解体
ユニークスキル一覧:ナビゲート
称号:異世界人、苦痛に耐えし者、不運の象徴、修行バカ、ドM気質、ドMを極めしもの、剣神、魔帝、鬼殺し、神を模倣する者
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