2022.1/15,16

 この二日間、共通テストが行われた。国公立大学を目指す私にとっては落とすことの出来ない第一の関門であった。複数教科の難化もあり荒れに荒れた二日間であったが、私はなぜだか楽しかった。会場での緊張感の中でも友達との触れ合いがお互いの気持ちを楽にしていた。

 どうやら私は、弟の事がありながらも特に支障なくテストに集中できていた。というよりも弟が倒れた日は動揺したが、それ以降は特に動揺することもなく、落ち着いて日々を過ごしていた。割り切りができていると言えば聞こえがいいが、私にとってみればそれは、私がドライ或いは非情な人間である事の証明であるようにも思えた。母や友人はそれを否定してくれたが、ここまで涙をこぼすほどに気持ちが落ち込んだことがない私はその思いを拭えずにいた。

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