2021.12/25

 今日はクリスマス。街のあちこちがクリスマスに染っていた。弟は相変わらずであった。VADで少しでも彼の負担が減ったとはいえ、人工呼吸器は外れておらず、度々起こる痰に苦しみ、水すらもで自分の意思で飲めない状態で何十日も過ごしていた。それがどれだけ辛いことかは、経験していない私には測りかねるものであった。それでも、クリスマスということもあり、病院の人達とも連携をとってプレゼントが送られた。弟は若干十四歳にして美容への関心が強く、複数の化粧品で肌や髪の手入れを欠かさないこだわりの強い一面を持っていた。そのことを踏まえて彼にはハンドクリームが送られることが決まった。入院以来、体を拭くことはあっても風呂には入れないせいで髪も肌もガビガビになっており、本人もそれを気にする素振りを見せていた為、ちょうど良いプレゼントになったように思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る