第3話 共通の趣味を持ちたい
そもそも俺は.....全然耐性が無い。
何にと言えば周りの女性に対して、だ。
幼馴染の女子の陶子が俺を徹底的に嫌っているが為に.....とも言えるが俺が近付くと女性が逃げる為でもある。
その為に女性に対して免疫は無いのだが.....そんな俺にある日。
銀髪のクォーターの途轍もない美少女の義妹が出来た。
親父の再婚相手の連れ子らしいが.....そのクォーターのその女の子は.....何かその。
とにかくうん。
どうしたら良いのだろう。
接するのが、だ。
「お兄様」
「.....どうした.....のかな?」
「私はアメリカに住んでいる事もあって日本文化にあまり親しみがありません。その為に色々と教えて下さい」
「.....?.....教えるのは良いけど」
ミーシャがリビングで宿題の合間と思って座ってラノベを読んでいる俺に家事の合間に声を掛けてきた。
相変わらずの真顔だが.....何だか俺に抵抗が10%ほど減った様に感じる。
まだ1日も経ってないが。
思いながら顎に手を添えながらミーシャを見る。
「そうだな.....えっと。日本といえばアニメだよね」
「.....ですね。.....そうです。アニメですね。.....お兄様が読まれているのがライトノベルというものですか」
「だね。.....これは戦闘ものだけど.....君はどのジャンルが好きかな」
「.....私ですか?.....好きなアニメ、好きな分野などは考えた事はないです。.....どのジャンルが当て嵌まりますか」
「.....うぇ?.....えっと.....」
どのジャンルが当て嵌まるのか?
俺は困惑しながらミーシャを見る。
ミーシャは真顔のまま俺を見ている。
その.....うん。
ラブコメ?恋愛?.....か?
「ミーシャは恋をした事あるかな」
「.....ふぇ?」
「.....あ.....えっとね。.....恋の気持ちになったりした事ある?」
「.....そうですね.....えっと.....えっと.....」
赤くなりながらオロオロと困惑するミーシャ。
俺はその姿に.....その困惑する。
赤面しながら、だ.....。
そんなに恋する少女みたいになってしまわれると困る。
反応に、だ。
「恋はした事無いです」
「.....そうなんだ?.....う、うん」
「.....恋って何でしょうね。お兄様」
「.....俺は恋愛師匠とかじゃないよ?分からない。そもそも恋愛した事無いよ?」
「そうなんですね。.....私と同じですね。お兄様」
柔和な笑顔を浮かべるミーシャ。
その顔がまた可愛いのだが......うーん?
何故モテない?
思いながら俺は首を傾げる。
するとミーシャは、でも恋がメインテーマのライトノベルが有るという事ですね?、と頷いて納得した。
「.....決めました」
「.....何を?」
「私.....アニメ文化に染まります」
「.....え?そんな無茶苦茶な.....そんないきなり染まらなくても良いよ?」
いえ。
無理じゃ無いですしそもそもお兄様と共通の趣味が持ちたいです。
と笑みを浮かべるミーシャ。
俺は赤面しながら、そ。そうなんだ、と苦笑する。
それから頬を掻いた。
「私はお兄様の妹ですから」
「.....いや。そんな畏まらなくて.....良いよ?」
「.....いえ。それに年上の方にはそれ相応に接しろとお母さんが言ってました」
「.....そ、そうなんだ.....」
「はい」
ミーシャは強く頷く。
俺はその言葉に頬をまた掻く.....ん?
そういえばミーシャは英語訛りが無いな。
考えつつミーシャに聞いてみる。
ミーシャ、と声を掛けながら。
「はい。何なりと仰って下さい。お兄様」
「.....君は英語喋れるの?」
「.....」
「.....」
沈黙した。
そして1分ほど.....ミーシャは顎に手を添えて。
は、ハングリー?、と答えた。
俺は、あ。駄目っぽい、と直ぐに察する。
これはいけない。
「.....英語のテストは.....苦手です」
「この容姿で!?」
「はい.....というか日本語オンリーです」
「.....う、うーん。そうなのか」
「だからアメリカに居た時もお母さんの背中に常に居ました」
そうなのか、と思った。
はい、と答えながらミーシャは頬を掻きながら困惑する。
俺も少しだけ困惑した。
成程.....つまり英語は駄目って事か、と思いながら、だ。
「.....私は.....アメリカ人と日本人のハーフです。.....だから英語が出来るとは限りません。どっちに寄るかですから」
「.....うん。それでも良いんじゃないか」
「.....え.....」
ミーシャが驚く。
俺は苦笑しながらもミーシャの頭に手を添える。
それから、英語出来なくても喋れれば何でも良いと思うよ、と言った。
するとミーシャは目を丸くする。
そうしてから赤面した。
「.....そう言われたのは.....初めてです。今までずっと教育教育でしたから」
「.....そうなんだ?」
「.....はい。馬鹿は要らないよ、的な感じでした。私の周りは」
「.....」
「クォーターもありましたから.....です」
それからミーシャは悲しげな複雑な顔をする。
俺はその姿に.....眉を顰める。
そうしていると.....インターフォンが鳴った。
俺は?を浮かべて.....インターフォンを覗くと。
そこに近所に住む陶子が何かを持って居た。
「.....お兄様。此方はどちら様ですか?」
「.....え?.....あ。俺の幼馴染だよ」
「.....そうなんですね。.....じゃあしっかりとご挨拶をしないといけないですね」
「.....!.....ああ。そうだね」
俺は頷く。
するとミーシャは優しげに笑みを浮かべた。
俺はその様子を見ながら玄関に向かう。
しかしこれが.....まさか幼馴染とかその全てに火を点ける事になるとは.....誰が思って居ただろうか.....。
俺は.....板挟みになってしまった.....。
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