第2話 心臓が持たないんだが
銀髪のクォーターの美少女が一人っ子の俺の義妹になった。
まるで天変地異でも起きたのか?って感覚だが。
お前何言ってんの?、って言うそこのお前。
気が狂った訳じゃない。
これはリアルだ。
再婚して俺達は義兄義妹同士になったのだ。
俺は汗を流しながら.....赤くなりながら。
2人きりで夕暮れの日が差し込む中。
目の前の俺をジッと見据えるミーシャをチラリと見る。
ミーシャは真顔のままだが俺から片時も目を離さない。
宿題をやっている俺から、だ。
まるで.....専属のメイドの様に、だ。
どうなっているのだっていうか。
何故.....俺から目を離さないのだ.....?
思いながら俺は堪らずミーシャに聞いてみる。
「えっと.....すまない。.....ミーシャさん.....何で俺を見ているのかな?」
「.....ミーシャさん?.....それは私でしょうか。お兄様」
「.....そうだけど.....どうなっているんだ.....?」
「.....私はミーシャです。.....お兄様。.....ミーシャさんでは有りません。それに歳下ですよ」
「.....えっと.....」
その.....困惑しか無い。
ミーシャは言いながら俺をジッと見据えてくる。
マジに集中出来ないんだが。
思いながら、お。お茶でも淹れようか、と言う。
すると、お兄様。それは私がやります。お兄様は宿題をなさって下さい、と和装を解いて普段着になったミーシャは立ち上がった。
それから台所に行ってしまう。
俺はその姿にホッとしながら息抜きをする。
「.....息が詰まる.....自室に行こうかな.....」
しかしなぁ。女の子を.....そのまま置いておくのもな。
思いながら台所に立っているミーシャをチラ見する。
すると、キャッ、と悲鳴が上がった。
俺はビックリしながら立ち上がる。
それから、どうしたの!?、と駆け寄る。
すると.....駆け寄って抱き付いて来た。
ミーシャが、だ。
うそーん!?
「な、な、な!!!!?」
「く、蜘蛛が.....私.....苦手なんです。お兄様!御免なさいぃ!」
真っ赤になっている俺はシューッと煙でも頭から吐きながらぎこちなくミーシャを引き剥がしてから。
そのまま蜘蛛を小さな窓から生きたまま外に出した。
それからミーシャを見る。
ミーシャは涙目だった。
「み、ミーシャ。出たよ。外に。.....だから大丈夫。.....実は蜘蛛は家の守り神だから殺さない方が良いんだ」
「.....そ、そうなんですね。.....お兄様は物知りですね」
「.....そ、そうだね.....」
「.....」
「.....」
ミーシャはハッとして真顔に戻る。
それから赤面を隠そうとするが.....その様子がまた可愛い。
俺は少しだけ赤面しながら.....頬をカリカリと掻きながらミーシャから目を離した。
それから、お茶入った?、と話題を変えてみる。
するとミーシャは真剣な顔で俺を見てくる。
「あ、はい。お兄様。入りました」
「.....そうなんだ。.....じゃ、じゃあ戻ろうか」
「はい。.....お兄様」
「.....なん、でしょう?」
「.....有難う御座いました。.....格好良かったです」
何が?、と思うのだが.....彼女にとっては俺が勇ましい姿に見えたのだろう。
思いながら俺は頬をガリガリ掻きながら.....恥ずかしさ故に逃げた。
それから宿題に戻ると。
少し後でミーシャがやって来た。
エプロンを着けて、だ。
まるで本当に.....メイドさんだ。
それからお茶をゆっくり置く。
「.....これは熱いですから。お気を付けて」
「.....そ、そうかい。有難う」
「.....お兄様。今思ったのですが.....何故、ぎこちないんですか?私達は兄妹ですから」
「い、いや。ミーシャ。それは無理がある。俺は女性に耐性が無いんだ。それに君はとても可愛いしね」
「.....ふぇ?」
変な声がした。
かぁぁっと赤くなっていくミーシャ。
それからボッと火が点いた様になりながら勢い良く立ち上がる。
そしてオボンを投げ捨てて駆け出して行った。
俺は、?!、と思いながらその様子を見送る事しか出来ず.....驚く。
「.....え?.....俺何か変な事を言ったかな.....」
それから不安になるが。
特に何も思い当たる節が.....無いのだが。
思いながら居るとミーシャが静かに戻って来た。
乱した様な感じを掻き消しながらな感じで、である。
ゴホンと咳払いしながら俺を見てくる。
「.....すいません。お兄様。.....取り乱してしまいました」
「.....いや.....もしかしてだけど君は恥ずかしいのとかがマズイの?」
「.....あ.....はい.....耐性が無いです.....」
「.....じゃあ.....君の全てが可愛いとかは?」
「.....」
顔が真っ赤になって目がぐるぐるになるミーシャ。
俺は、あ。駄目ですね、と思いながら苦笑いを浮かべる。
それから何も言わずに.....俺もゴホンと咳払い。
そして話題を変えようとお茶を飲んでから無理矢理の笑みを浮かべた。
お。お茶美味しいよ、と。
「.....!.....良かったです!この.....煎茶とかのお茶.....淹れ方を練習したんです!日本人の方と再婚するって聞いたので.....!」
「.....そ、そうなんだ」
「.....あ.....」
「.....」
気が付くと乗り出してお茶の件で興奮しているミーシャと。
丁度、俺との顔の距離は顔一つ分にも満たなかった。
気が付いた俺達はドキッと?して真っ赤になりながらそのままそっぽを見る。
駄目だこれ.....心臓が。心臓が!!!!!
非常に参ったな.....これ.....身体とか全てが持つのだろうか.....この先。
思いつつドキドキしながら.....胸に手を添えた。
耐性無いのにキツイ.....。
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