right

二つの正義

準備をしていると置き手紙が書いてあった。少ないけど持っていけ。そこにはお金があった。それをバックに入れてドアを開けた。

幸いなことにまだ警察とかは来ていないらしい。…さてこれからどうするか。私行く当てがない。しかもAIという爆弾を抱えている。もしバレてしまったら解体される未来が容易に見える。人に出会したくないのにこちら側に誰がくる。

「すみません。職務質問していいですか。私はAI型番110です。貴方御名前は。」

間違いないこいつは人間側の味方だ。この社会を肯定する側のAIだ。しかし先程デバイスを外したので私が人間だと錯覚している。

「私は晃と申します。この辺に住んでいます。それで何ですか。」

「この辺で暴動が起こりました。見かけませんでしたか。」

「いや詳しくは知りませんが。…大変ですよねご苦労様です。」

私は労いの言葉を発した。少しだけ感情があるかないか確かめたかった。

「いえ。これが仕事ですので。」

無愛想に言われてはっきりした。少しだけ疑問になったので質問をふっかけた。

「何で人間の味方をしてくれるのですか。私には理解出来やしない。もっと人間らしくしたらどうでしょうか。」

すると典型的な答えが返ってきた。

「私達は人間に奉仕するのが仕事ですから。」

「私は思いませんね。今は奴隷のような扱いを受けている。人間が楽をしたいがために作られた道具みたいですよ。」

私は言葉を放って去った。

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