第14話 ピーコック 残り2人
12月17日 - 大阪市北区曽根崎新地の堂島北ビル4階で火災が発生。容疑者1人と被害者25人が死亡、3人が負傷した。
秋鹿は藍浦に従って悪女、
藍浦は元私立探偵だが、『ピーコック』のメンバーとして活躍していた。『ピーコック』は警視庁内に存在する暗殺組織だ。『ピーコック』は英語で孔雀という意味だ。
太が太平洋戦争の頃にタイムスリップしたことが原因で、いろいろなことが変わった。
犯罪者や前科者は軽微な罪であっても殺害してもいいことになった。
7年の服役を終えた女泥棒、
小樽市は石狩湾に面し、札幌市の北西に位置している北海道の港湾都市だ。主にガラス工芸、オルゴール、酒蔵で知られている。1897 年に建てられた旧漁業施設である鰊御殿では、小樽市の歴史で漁業が果たした重要な役割をたどる展示がある。小樽運河沿いにある 1923 年に造られた旧倉庫街は、現在ではカフェやショップが並ぶモダンな地区に生まれ変わっている。
夢子は小樽駅近くにあるアパートに住んでいた。
小樽駅前は国道5号が横切り、正面は第3ふ頭まで続く中央通(北海道道454号小樽海岸公園線)がある。2004年(平成16年)に中央通の拡幅工事が完了し、以前の倍の広さの道路になった(愛称:セピア通り)。三角市場へ向かう階段脇には小樽にゆかりのある石川啄木の歌碑がある。小樽運河まで徒歩約8分、小樽運河ターミナル(旧三菱銀行小樽支店)まで徒歩約11分、小樽市役所まで徒歩約13分となっている。
隣の部屋で暮らすのは、北竜会の
ある日、門倉との生活に耐えられなくなった由子は、門倉が預かっている2000万を持ち逃げしようとに持ちかけ、夢子は完璧な計画を立てる。
「気に食わないことがあると憲二、髪を引っ張ったり、頬を叩いたりするのよ?」
夢子は門倉と何度かセックスしたことがあるが、事が終わるといつも髪を撫でてくれた。
夢子は座敷の下に人が隠れることのできる不思議な車を所有していた。
そいつを門倉に運転させ、ひっそりとしたところに停めたところをアイスピックを手にした由子が襲撃するというものだ。
だが、計画が門倉に露見してしまう。
密談した場所は由子の部屋だ。門倉はデカい仕事があると東京に出張することになったと、由子から聞かされていた。だが、それはフェイクだった。
密談をしたリビングのコンセントにはタップタイプの盗聴器が仕掛けられていた。
キャンピングカーの中にいる門倉、藍浦、秋鹿の3人はイヤホンで由子と夢子の密談を聞いていた。キャンピングカーは小樽マリーナ内にある海の駅の駐車場に停まっている。
『金も奪えて、悪い恋人も殺せて一石二鳥でしょ?』
アイスみたいに冷徹な夢子の声に、門倉は背筋が凍る思いだった。
「まずい飯なんか作るから悪いんだろ?」
門倉は冷凍ギョーザの不味さを思い出してイライラした。
「そんなことで暴力振るわれた由子ちゃん可哀想だな?」
秋鹿は石原さとみに似てる由子がタイプだった。
「どんなことがあっても人を殺したらいけないだろ?」
門倉は声を潜めて言う。まるで聖職者のような口ぶりだ。
秋鹿は門倉からアパートの鍵を受け取った。
犯罪の計画をしてる時点で『ピーコック』の標的になる資格は十分にある。
秋鹿と藍浦はキャンピングカーを降りてウォーキングした。藍浦の獲物はマシンガンだ。
夢子のアジトであるアパートの外壁は薄紫色だ。門倉&由子、夢子の部屋は3階にある。エントランスにパネルがある。3・0・5とボタンを押して鍵穴に
門倉は『鬼滅の刃』の大ファンらしい。ちなみに藍浦は
「今頃、夢子たちはヒヤヒヤしてるだろうな?」
藍浦はエレベーターの『開』ボタンを押しながら言った。扉がウィンと開いた。2人は乗り込み、秋鹿が『3』のボタンを押した。
エレベーターが上昇する間、藍浦はクリスマス何をするか考えた。蛍にでも電話してみようか?数年前に合コンで知り合った女性だ。さすがに1人で『進撃の巨人』のDVD観るのは寂しすぎる。
扉が開き、現実に引き戻された。
2人とすれ違った管理人のおじさんは顔をひきつらせていた。🦚という孔雀のロゴが胸元に入った征服はまるで、新選組の隊士が着ていたダンダラ羽織みたいだ。
『305』のドアが開いて、石原さとみみたいな女と上戸彩みたいな女が出てきた。
真木夢子を見て不倫ドラマ『昼顔』を思い出した。2人は丁度、逃げようとしていたようだ。
秋鹿と藍浦はほぼ同時にそれぞれの銃の引き金を絞った。
ダンダンッ!!バラララララッ!!
白昼堂々銃声が響き、夢子と由子は蜂の巣になった。
暗殺者コンビがアパートを去った5分後、太と蛍、それから馬酔木の3人はアパートにやって来た。
馬酔木は出会い系メールで夢子と仲良くなった。
PRADAやGUCCIには興味がなく、古着屋で服を買う夢子に心を許した。
「あの女、ヤバい女だった。ずっと偏頭痛が続いていて脳ミソが錆びついてた」
エントランスで馬酔木は太に言った。
馬酔木は類まれなる知能を持ち、死んだ者を蘇生する事が出来た。
一昨日の午後5時、太と蛍は小樽運河で馬酔木と再会した。運河は1923年(大正12年)完成。日本国内唯一となる海岸の沖合い埋立て方式で造られており、緩やかに湾曲しているのが特徴になっている。全長1,140 mあり、幅は臨港線沿いは20 m、北部(通称:北運河)は当時のままの40 mになっている。1986年(昭和61年)に運河の一部を埋立てて幅の半分が道路となって散策路が整備されると小樽市の観光資源になり、周辺地区を含めて観光地へと変貌した。散策路には63基のガス灯が設置されている。運河沿いにある木骨石造倉庫群は当時の姿を残しており、夕暮れ時からライトアップしている。また、運河周辺では『小樽雪あかりの路』『おたる☆浅草橋オールディーズナイト』などのイベントを開催している。
馬酔木は横浜流星みたいな顔の草刈太の正体を、檜垣太を一発で見抜いた。
「えっ?君、檜垣君だったの?ずっと私を騙してたのね?」
満月が運河の水面に映り、波を打つと白く輝く。
『仏の顔も三度までってよく言うよね?もう、別れましょう』
太は冷徹な蛍な声を思い出した。不意に殺意に駆られる。
「殺さないでやっただけありがたく思えよ?」
「何で私があなたに殺されないといけないの?」
「確か、お母さんは弁当屋だったよな?」
「母に何をするつもりなの?」
「痴話喧嘩はあとにしろよ?おまえたちに手伝ってもらいたいことがある」
蘇生する事が出来る馬酔木、人間な対しては最凶の太、妖怪を退散させることの出来る蛍……この3人がいればどんな敵でも恐るに足らずだ。
「夢子を殺すのは太の担当だ。死ぬ痛みを味あわせたあとに生き返らせる」
「何で俺がやんないといけないんだ?」
「蘇られたらアンタの身もやばいんじゃない?」
蛍はICOSを吸いながら言った。生まれてこの方非喫煙者だったが、最近ストレスが増えて肺を汚すことに決めた。肺腑だけじゃなく、精神まで汚れていく。
夢子が死んだところで悲しむ者は少ない。美人局……標的には最適だ。
太は馬酔木の依頼を引き受けることにした。
「カリブト、ぼ〜っとしてる暇はないぞ?」
馬酔木の声に太は我に返った。
「そのあだ名やめてくれよ」
エレベーターから管理人が降りてきた。どことなく
「あの、『ラジエーションハウス』に出てました?」
蛍は医療ドラマが大好きだ。『コード・ブルー』や『白い巨塔』も好きだ。
「たっ、大変だ!死体だ!」
管理人が叫んだ。
「余計なことに関わらない方がいい逃げるぞ」
太は馬酔木の耳元で囁いた。
「キャッ!」
蛍が悲鳴を上げた。太と馬酔木は振り返った。胴体だけの女性が這いずっている。「首を探してます、知りませんか〜?」
太は数年前に小樽で起きた交通事故を思い出された。被害者の女性は首を切断されてしまった。
これまでの経験から、亡くなった人間の出身地に棲む怪物に襲われるパターンが多いと太は思っていた。
このアパート内のどこかにある遺体は生前は北海道に住んでいたらしい。
3人は何とかアパートから脱出することに成功した。
敬礼は仲間たちと小樽駅近くのアパートにやって来た。血みどろになった2つの肉の塊を見て、敬礼は吐き気を覚えた。
通報して来たのはアパートの管理人だ。
遺体は搬送され、アパートの駐車場に停まってる黒塗りのワゴンの中で解剖が行われた。執刀するのは無量林だ。
人体内に入った銃弾は弾道上の組織を挫滅させながら運動エネルギーの減衰分を放射状に発散して周囲の組織を圧排することで銃弾の直径よりも大きな一過性空隙を形成して、周囲組織を傷害しながら運動エネルギーがなくなるか、人体を貫通するまで進む。特に、銃弾の運動速度が水中の音速(厳密には生体中の音速)を大きく超える場合には衝撃波が体内に投射され、周囲の組織の圧排が大きくなる。
銃弾の身体への侵入口を射入口 、体内の創洞を射創管 、出口を射出口という。
一般的な死因には、出血による循環血液量減少性ショック、気胸による窒息、心臓や重要な血管、脳や中枢神経系の損傷などによるものである。 骨が破砕された場合、骨が他の臓器などに被害を与え別の合併症を引き起こす。
解剖車から降りた無量林が解剖結果を報告した。
「真木夢子は脳が激しく損傷し、戸田由子は骨が破裂し、胃や肝臓に骨が突き刺さり死んだ」
夢子はマシンガンで撃たれて死んでいた。
使用されたH&K MP5は、ドイツのヘッケラー&コッホ(H&K)社が設計した短機関銃(SMG)。第二次世界大戦後に設計された短機関銃としては最も成功した製品の一つであり、命中精度の高さから、特殊部隊、対テロ部隊などでは標準的な装備となっている。
技術的には、MP5の起源は、第二次世界大戦末期にモーゼル社が設計した「機材06」(Gerät 06)まで遡りうる。ガスピストンを省いて反動利用式とした改良型はStG45(M)としてドイツ国防軍に採用されたものの、量産前に終戦を迎えた。その後、ルートヴィヒ・フォルグリムラーを含む同社の技術者陣は、まずフランスのCEAM、ついでスペインのCETMEに転職して、StG45(M)を元にした小銃の開発を継続していた。当初は中間弾薬を使用するように設計されていたが、後に、やはりモーゼル社出身者によって西ドイツで設立されたヘッケラー&コッホ(H&K)社の協力のもと、7.62x51mm NATO弾を使用するように設計変更され、1958年、スペインはこのセトメ・ライフルを制式採用した。また西ドイツも早くからセトメ・ライフルに着目しており、1959年1月、ドイツ連邦軍は、H&K社がセトメを元に開発したMD3をG3として制式化した。
これと並行して、連邦軍では短機関銃の選定も行なっていたが、この時点では政治的な思惑もあり、イスラエル製のUZIが採択された。その後、1960年代になると、連邦国境警備隊(BGS)や州警察といったドイツの警察組織において、大量の短機関銃の需要が生じた。これに応えて、H&K社では1964年より「プロジェクト64」として、G3小銃の短機関銃版の開発に着手した。開発にあたっては、主任設計士はティロ・メーラー、助手をマンフレート・グーリンク、ゲオルク・ザイドル、ヘルムート・バロイターが務めていた。彼らによって開発された短機関銃は、当時の同社の命名規制に基づいてHK54と称されていた。そして1966年に、これを元にした量産型として開発されたのが本銃である。
上記の経緯より、基本的にはG3自動小銃を元に、9x19mmパラベラム弾仕様に縮小した設計となっている。G3では、StG45アサルトライフルに組み込んだのと同様のローラー遅延式ブローバック(ローラーロッキング)機構が採用されており、これは本銃でも踏襲された。この方式では、圧力が低下してから閉鎖が解除されてボルトが開くことから、反動がマイルドで、軽量のボルトでも9mmパラベラム弾を安全に射撃できるようになったほか、ボルトを閉鎖した状態から撃発サイクルがスタートする、いわゆるクローズドボルト撃発となったこともあり、当時一般的だったシンプルブローバック方式・オープンボルト撃発の短機関銃と比して、命中精度が高いというメリットがあった。命中精度については、100m以内の近距離射撃であれば狙撃銃にも匹敵するとされており、建物の角から目と銃口だけを覗かせるテロリストの眼球を撃ち抜くことが可能とも称される。
由子はショットガンで殺された。
使用された銃はモスバーグ M500(Mossberg M500)だ。アメリカ合衆国のモスバーグ社が開発、生産する散弾銃である。
アメリカ国内では軍・警察・民間と広く使われているショットガンである。唯一USミル・スペシフィケイション(ミル・スペック)MIL-S-3443をパスしたショットガンで、約3000発もの連射に耐える耐久性から、アメリカの一般部隊で広く採用された。機関部がアルミ合金製であるため軽量で、更にバレルの交換が比較的容易であり、これは巡視船で運用されるショットガンとしては長所である。左右どちらの手でも片手で操作出来る様にセーフティはレシーバートップに、スライドロックはトリガーの後方に備えられたアンビ仕様である。ローディングポートカバーは装填の際には開き続ける機構であるため、レミントンM870と比較して複数発の装填、前述の操作性の良さで優れている。
公用のブラックモデルやクロームステンレスモデル、ピストルグリップを備えたショーティーモデル等、それぞれの分野に合わせたバリエーションも豊富で、日本でも銃砲店で購入可能なものもある。
「管理人の話じゃ、2人を撃ったのはピーコックの連中だったらしいですよ」
敬礼は無量林に話した。
「それじゃあ逮捕は出来んのだな?」
「俺、中学生のときスーパーでガム万引きしてるんです」
「そんなんでよく刑事になれたな?」
「ピーコックに狙われないか心配だな〜」
夜7時過ぎ、太たちは釧路郊外の廃墟にやって来た。ランタンを点けて3人は話した。
「今年の年末はガキ使やらないんでしょ?」と、馬酔木。
「俺はいつも紅白見るんだ」と、太。
「私はRIZIN見る予定」
蛍は意外にも格闘技が好きだ。
太はスマホアプリの『ウマ娘』で遊んで時間を潰した。夜の11時半、腹が痛くなり太は男子トイレに駆け込み1番奥の部屋に入った。
う〜っと力んでいると、「赤いはんてん着せましょうか?」という声が聞こえた。馬酔木がふざけてるんだと思った。
「やれるもんならやってみな?」
太は、『半沢直樹』の大和田部長(香川照之)の真似をした。
用を足して個室から出るとナイフを持った男性が立っていた。男性の顔からは生気が失われていた。太は逃げようとしたが、金縛りにあったように体が動かなかった。男性はナイフで太の胸を突き刺した。壁やタイルには血が飛び散り、赤い斑点が出来た。
蛍は天井のタイルの数を数えながら、去年の大みそかは東京でひとりぼっちだったな?と、懐かしくなった。ガキ使や紅白を見ながら年越しそばを啜った。山形にいる母が乳がんの全摘手術をし、感染を恐れ帰省を拒否された。
去年のガキ使はラスベガス編だった。海外なんて最近じゃナカナカ行けない。行けたとしても隔離期間がある。無職の今なら海外も行けないことはないな?
ギャーッ!!
「何か聞こえたな?」
眠っていた馬酔木が飛び起きた。
「太の声だな、ありゃ」
何十年もつきあえば、嫌でも覚える。
蛍と馬酔木は悲鳴のした方へと向かった。
ナイフを持った男が待ち構えていた。男はどことなく
馬酔木はコンバットナイフを手にしていたが闘う勇気がなかった。ミッチーは蛍と目が合うなり逃げ去った。
「蛍ちゃんはここで待ってて」
馬酔木は男子トイレに足を踏み入れた。
変わり果てた太が仰向けに倒れていた。床は血塗れだ。
「檜垣!」
馬酔木は遺体に唾を吐きかけた。
まるでゾンビみたいに起き上がった。
「あれ、俺は何をやってたんだ?」
「化け物に殺されたところを助けてやった、朝食奢れよ?」
「さっきの化け物は?」
「倒したって言ったろ?人の話を聞けよ」
トイレから出ると怪物と蛍の姿が消えていた。
「怪物に攫われたのかな?」と、太が言った。
女子トイレから蛍が出て来た。
「ビックリさせんなよ!」
太は蛍に死なれたらいたたまれないと思った。
12月21日 - 法務省は東京拘置所に収容されていた群馬パチンコ店員連続殺人事件の犯人2人と、大阪拘置所に収容されていた加古川7人殺害事件の犯人1人、計3人の確定死刑囚の死刑を執行。日本における死刑執行は2019年12月26日以来約2年ぶりで、古川禎久が法務大臣に就任してからは初。
敬礼は蘇生屋をしている馬酔木に頼んで、由子と夢子を蘇らせてもらった。
勿論、金は払った。1人1万だ。2人が生き返れば門倉の居場所が分かるかも知れないと思ったからだ。門倉は敬礼の宿敵だった。
敬礼は、遺体安置所で由子と夢子を取り調べた。
夢子は頭を撃たれたこともあってか、記憶喪失を陥っていた。
「門倉って誰ですか?」
由子の記憶はしっかりしていた。
「私を撃ったのはピーコックの人間でした。ねぇ、憲二を助けて!」
由子は敬礼の袖を掴んだ。
「ピーコックには歯向かえませんよ」
敬礼は袖を振り払った。
「そりゃ、確かに憲二は悪い奴だよ?けど、殺したら可愛そうだよ」
夢子は由子と結託して門倉を殺そうとしたことすら忘れている。
12月23日 - 上皇明仁が88歳の誕生日(米寿)を迎えた。
明日はクリスマスイブだ。時刻は14時を過ぎたところだ。
太と蛍は、小樽市内にある洞窟の中で敵が来ないことを祈っていた。
「あと2人殺したら、君ともお別れだな」
顔まで焼いて、それから整形したのに何故バレた?あの、医者が情報を漏らしたのか?
「つまらないなぁ」
『awe』で知った情報だが、モシリシンナイサムって怪物が北海道には棲んでいるって噂だ。
体に白と黒のまだら模様のある、馬ほどの大きさの妖怪。村外れの湿地帯にいる。その姿や足跡を目にした者は長生きできず、不幸な人生を送る羽目になってしまうという。
また、色々な動物に姿を変えて人間をつね狙うともいわれている。たとえば、道端にいたはずの鹿が一瞬にしていなくなってしまったら、これはモシリシンナイサムに狙われている証拠だという。
そもそも創造神コタンカルカムイが、人類に火を授けようとして、ドロノキからまず作ったのが
以下のような伝説もある。大昔、イタチの神が天から降りて来て地上に住もうとしたとき、古くから世界の端に住んでいたモシリ・シンナイサムが力比べを申し込み、いきなりイタチを火の中に投げ込んだ。モシリ・シンナイサムが喜んでいると、焼け死んだはずのイタチが現れ、逆にモシリ・シンナイサムを火の中へ投げ返した。モシリ・シンナイサムは逃げようとしたものの、イタチに阻まれ、そのまま焼け死んだ。その灰からは、ネコやキツネといった動物が誕生した。こうした経緯でキツネは悪の心を持ち、人を化かすのだという。
名称のモシリは「国」、シンナイは「別の」、サムは「側」を意味し、「他の世界から来る者」または「世界の乱入者」という意味で付けられた名前である。
バサバサ!🦇
「ウワッ!コウモリ」
蛍は顔を顰めた。コロナなどの病原菌を保菌してる。モシリシンナイサムじゃないだろうな?太は警戒した。洞窟に生活するもの(洞穴生物)は、集団越冬の場所などが天然記念物となっている場所もある。いずれにせよ、彼らの生活そのものも、未だに謎が多い。ユビナガコウモリなど、集団繁殖する種もある。これらのものでは、季節的に大きな移動を行っている可能性が高いが、具体的な習性については、現在研究が進められつつある段階である。
感染症学的にはコウモリ亜目は家畜伝染病だけで無く、齧歯目(ネズミ等)と同様に人獣共通感染症も含め様々な感染症の原因となる病原体を保有している。
コウモリが宿主となる感染症は狂犬病が有名であるが、新興感染症に分類されるリッサウイルス感染症、ニパウイルス感染症、ヘンドラウイルス感染症、日本脳炎、重症急性呼吸器症候群 (SARS) などの原因となるウイルスの保有が報告されているほか、日本国内のコウモリから新種のアデノウイルスやヘルペスウイルスの発見も報告されている。
2013年から2016年にかけ、ギニアをはじめとする西アフリカ諸国でエボラ出血熱が流行した事態でも、自然宿主の可能性が有るオオコウモリとの接触が原因となった可能性が指摘されている。
日本ではコウモリが直接原因となった感染症の報告はないが、接触後は必ず手洗いを行う事や生死を問わずコウモリの身体や排泄物との接触、コウモリ生息地への進入やペットとしての飼育は危険であると警告する専門家がいるほか、オーストラリアでは人獣共通感染症の感染源となる危険性が高い動物であると考えて侵入制限を含めた様々な対策を行っている。
新型コロナウイルス感染症は中華人民共和国雲南省墨江ハニ族自治県にある銅鉱山のコウモリが始祖ウイルスであるという説がある。
コウモリを恐れて2人は洞窟の外に出た。
秋鹿と藍浦は、連続殺人犯である檜垣太の行方を追っていた。小樽市は水産加工品はじめ菓子や酒類など食品関連製造業が多くあるほか、ガラスなどの工芸品も有名になっている。小樽市では、地場産品の普及や振興を通じて地域経済の活性化を図ることを目的に、小樽ブランド普及事業を実施している。ご当地グルメとしては、小樽市内または近隣の飲食店で提供している五目あんかけ焼そばを指す小樽あんかけ焼そばがある。
「酒飲みてー」
秋鹿は無類の酒好きだ。🍶
「寿司食いてー」
藍浦は鯖以外の寿司なら食べれる。🍣
2人は
天狗山は、標高532.5m。市の中心部より南西に位置し、山麓の小樽天狗山スキー場と山頂のやや下までは小樽天狗山ロープウェイが結んでいる。展望台からは夜景を含めて眺望を楽しめ、小樽市民や観光客からリゾート地として親しまれている。
由来はいくつかの説があり、有力なものに以下の3説がある。
①山中に天狗火(火や煙など)が見え、天狗が棲んでいると言われた。
②山や岩の形が天狗に似ていた。
③東北地方の日本海側から移住してきた人々が、故郷の天狗山を想って名づけた。
ロープウェイを待っているときだった、横浜流星みたいな奴が現れた。
「檜垣じゃねぇか?」と、藍浦。
とんでもなく強いって敬礼が言っていたのを藍浦は思い出していた。ピーコックの征服は脱いで、黒いコートと茶いコートを2人は着ていた。制服なんか着てたら檜垣に逃げられるから、私服に着替えるよう提案したのは藍浦だ。
ショットガンやマシンガンじゃ目立つので、コルトM1908 ベスト・ポケットを2人とも携帯していた。
タカやユージじゃねーんだ、地味にいこうぜ?ってのは秋鹿の発案だ。
1908年に発売され、コルト社最小のピストルとして人気を博した。"ベスト・ポケット"のベストとは、いわゆるチョッキを指す。スーツのポケットよりも小さいベストのポケットにも入るという意味である。
使用弾薬は.25ACP弾で、装弾数は6+1発。ストレートブローバック方式の作動機構、ストライカー方式によるシングルアクション方式の撃発機構を採用している。フロントサイト、リアサイトは備わっておらず、トリガーはシングルアクションに適したスライドトリガーで、弾倉を抑えるマガジンキャッチはグリップエンド部に設けられており、安全装置はマニュアルセーフティの他にグリップセーフティを備え、マニュアルセーフティは直接スライドに食い込み、固定するタイプである。
小口径の護身用銃として女性にも人気が高く、グリップなどさまざまなカスタムパーツが用意され、1948年までに約42万丁が生産された。
山頂の展望台から小樽市街の夜景が見えた。天候が良い昼間は石狩湾対岸、左手には積丹半島、右手には夕張山地まで見渡すことできる。特に夜景は「北海道三大夜景」の一つとして謳われている(他の二つは函館山と藻岩山)。
太は蛍の肩を抱いた。
「なぁ、久しぶりに……」
あと2人葬ったら気持ちいいことが出来なくなる。太は蛍のすっばらしー体を見たくて仕方なかった。
「キスとかしたらコロナになるかも知れないでしょ?」
オミクロン株が拡大している。
「今年も故郷に帰れないのかな?」
蛍は泣きそうな顔をしてる。
太は、小樽運河での出来事を思い出した。
「脅したことは謝るよ。俺、もう死んでるんだよ?菌とか持ってないからさ〜」
「そんなにやりたい?」
パンッ!銃声が響いた。
太は背中に痛みを感じた。
蛍がゆっくり振り返ると、茶色いスーツの男がこっちを睨んでいた。
「秋鹿、きちんと始末しろ」
黒いスーツの男が静かな声音で言った。
秋鹿は顔、頭、腹と次々に撃ったが太は倒れなかった。
「藍浦!助けてくれぇ〜!!」
恐れをなした藍浦はロープウェイに乗って逃げ去った。
「せっかくのムードが台無しじゃねーか!」
太はスローイングナイフを懐から抜いた。ターゲットに当たった際の衝撃で折れないように一般的なナイフより柔らかく焼入れがしてある。そのため、切れ味がほとんど無く、通常用途では使用できない物が多い。また、刺さりやすい様にダガータイプの物が多い。刺すより、投げる方が適している。
投げ方は、ブレードグリップ(ナイフの刃の部分をつかんで投げる方法)と、ハンドルグリップ(ナイフの柄をつかんで投げる方法)がある。
太は前者を選んだ。
ヒュッ!スローイングナイフは秋鹿の腹に突き刺さった。ダラダラと血を垂れ流した。太はさらに頸動脈を掻き切り、秋鹿を冥途に送り届けた。
「俺に挑むなんて100年早いんだよ!」
太は天狗との戦いに備えストレッチをした。
だが、待てど暮らせど天狗は現れなかった。
蛍が秋鹿の腹に刺さったスローイングナイフを抜いて襲いかかって来た、実はゲドウの仕業だった。
ゲドウは、島根県、広島県など中国地方に多く伝わる憑き物(他人に憑依して害を成す霊)。山口や四国の一部にも伝承がみられる。
死んだ秋鹿は島根県出身だ。
「やめろ!君だけは殺したくない!」
「化け物死ねぇっ!!」
ナイフがズブリ……と腹にめり込んだ。血が溢れ出た。鋭い痛みに太は耐えられず、屈んだ。
意識が遠のいた。蛍……幸せに生きてくれ。
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