第3話 友達
現在俺とクラスメートの君島、そしてオークキングで魔王を探し、森の中を歩いている。
「ふと思ったことがあるんだが、2人とも聞いてくれ。恐らく魔王は生きてる」
「本当か?!貴様なぜ分かる?!」
「あくまで推測だが、君島達が召喚されたこと、俺がまだ生きてることが魔王がいることに関係するんじゃないか」
「龍一君どういうこと?」
「だって俺が最初召喚された理由は魔王の討伐なんだろ?だったら今回も召喚された時点で魔王がいるってことじゃないか?」
「そうか!じゃあ魔王様いるね!!…え?でも…龍一君と戦ってた魔王様じゃなくて新しい魔王様なんじゃ…」
「いや、俺が生きてるってことは、俺の知ってる魔王がまだ生きてたから、俺も生かされているんじゃないか?」
「なるほどな!!貴様なかなか鋭いな!じゃあ何故こやつら別の人間が召喚されたのだ?」
「………」
「む?無視か?おい!貴様!!」
確かに…それは分からない。
今のところは俺やオークキングが知っている魔王が生きている可能性が上がっただけで良しとしよう。
「それより、君島は何であんな森の中に1人だったんだ?」
「え?…あ…えぇと…」
「「?」」
「実はね、この森に龍一君がいるって見つけてくれたの綾ちゃんなんだ」
綾?誰だ?
あまり女子と交流がない俺には分からない。
「あっ、同じクラスの友達だよ!綾ちゃんのスキル?が{感知者}っていうらしくて、この森の中の正確な位置まで教えてくれたの」
「…で?なんで1人ここに?」
「…いや、だからその…みんなが宮殿に召喚されてなんか盛り上がったり、スキルとか色々言ってる間に走ってここまで来ちゃったの!」
「…え?!じゃあなんでこの世界に召喚されたとか、王族の人に会って話したとか無く、何も分からずこの森走ってきたの?」
「う、うん…だって…その…ずっと学校休みだったから…し、心配で…///」
「…っ!///あ…ありがとう…//」
「我もいるんだが、これが人間の交尾開始の合図か?」
「「違うっ!!」」
「ねぇねぇ、2人とも!魔王様に会いに行く前に宮殿寄ってみんなの様子を…あ…」
君島が俺を見て何かに気づいた顔をした。
そうだ。俺は王族の奴等に殺された可能性が高い。
それでもクラスメートはみんな仲が良く、俺はそっちの方が心配だ。
「いざとなればクラス全員俺が助ける。だからもし俺が王族に何かしても黙ってて欲しい」
「我も人間なら誰でもいいわけではない!!我もどうするか分からんぞ!!」
「…う…うん…わかった…」
一抹の不安を抱え、一向は宮殿へ向かった。
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