終わった世界で、ある二人の邂逅。終末した世の、綴りが始まる

 あまり内容について踏み込むと、こちらの御作の魅力的な世界観やら濃密な設定を損なってしまう可能性があるので、やや抽象的なレビューを行います。

 作者様のあらすじのまま。終末した世界観で人間を模した存在が主人格として送る、ダークファンタジーな雰囲気の御作です。
 文飾は情景描写などが丁寧。主人格の挙動や情緒が細かく表現されており、読み易い文字数と文章で纏まっている。徐々に読み手に開示される世界観にまつわる情報に惹き付けられる。キャラクター間の掛け合いも、言葉運びがお上手であり、互いの関係性からのやり取りが見事に想像できる。
 ファンタジーな要素が加わった、ポストアポカリプスな方向の物語が好きな方には、とても刺さるかと存じます。