今を足掻く

鈴ノ木 鈴ノ子

いまをあがく

懐かしのあの日が浮かぶ。


あの素敵な日が、


あの美しい日が、


あの身体の充実した日が、


あの心安らいだ日が、


あの願いの叶った日が、


あの柔らかな温もりの日が、


あの愛おしく優しい日が、


ふと、あの日ではなく、


今を考える。


今は違うのだろうか?


今は戻れないのだろうか?


いや、そんなことはない。


今は今なのだ。


今が未来永劫に変わらぬことはない。


何故ならば、昔があるように今があるからだ。


今は昔であり、昔は今なのだ。


だからこそ、新しい今を掴むために足掻く。


苦しくとも、辛くとも、足掻く。


今よりも一歩進んだ、今を手に入れるために。


今に溺れないために。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

今を足掻く 鈴ノ木 鈴ノ子 @suzunokisuzunoki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ