第4話 出会いの始まり

大学生になるって、今まで経験したことない新世界に迷い込んだような感じだった。


ワクワクしながら、どこかで不安もあったような日々だった。


いろんなところから来た、様々なタイプの人と出会って、そしてその人たちと関係を築くことは新鮮だが簡単なことではなかった。何度も繰り返す自己紹介、相手の名前と顔を覚えなきゃいけないことってこんなに大変だなとは思わなかった。だけど、晴夏と真琴はそれなりに楽しさを感じていた。すべての人と仲良くになれなくても、すべての出会いはうまく行けなくても、出会った人たちの中には面白いやつが何人もいたから、それはそれで有意義な時間を過ごせていた。そして、自分と全然違う人たちと交流しているうちに、知らないことを勉強になり、別の視点から物事を見ることもできた。


晴夏と真琴は学部が違うし、授業を受ける場所も結構離れたので、二人は前より一緒にいられなかった。だけど、その代わりに二人は家に帰ってから必ずお互いに自分が経験したことを話し合っていた。こうして毎日に絶えない話題で盛り上げっていた二人は、自分が知らない世界をどんどんハマっていた。


お金を節約するために、二人は大体大学の食堂で昼食を済ませることが多かった。晩ご飯の場合、下校時間によって誰かが晩ご飯を作ることを事前に決めていた。掃除は基本的に自分の部屋は自分が担当するけど、共有スペースだとご飯を作らない方が担当していた。ほぼ毎日自炊することのおかげで、二人の料理の腕前はだいぶ上達していたし、レパートリーも増やしていた。週末になると、バイトからの帰り道に、贅沢なご褒美としてスイーツを食べに行くことを決めていた。


そんな二人は別々の部活に入っていた。


真琴は元々登山に興味があるけど、一緒に行ける仲間はなかったし、晴夏も山派と海派のどちらと言えば海派だから誘っても行かないでしょうと思った。それに高校時代に学業で忙しかった上、彼女の高校にもこの系の部活はなかったので、真琴は大学を選ぶ時の条件の一つは登山部があるかどうかだった。別に体育系の部活に憧れていたじゃないけど、真琴が山登りの魅力はどこにあるか、そして山に登ってから何を見えるかってことだった。そして、自然にいるだけで、自分が落ち着けるだから、学業のストレス発散にもなれると思っただけだった。


晴夏の場合は、自分の進路に役立てる演劇部を選んだ。役者として表舞台に立ちたいじゃなくて、裏方で脚本を書きたかった。いずれ自分の小説や脚本を書きたいと思っていたので、やっぱり実践できる経験が欲しかった。それに、自分が書く脚本は役者に演じられて、観客から反応をもらえることから、それなりのやりがいと満足感が得られるでしょうと思った。


二人はまだ知らないのは、この選択によって、自分の人生を大きく左右する人たちと出会えた。

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