12.風のように
ツグミは王さまを上着のポケットにつっこむと、風のように飛びました。
一羽ばたきで、小さな川と大きな河を七つと七つ、
二羽ばたきで、小さな海と大きな海を七つと七つ、
三羽ばたきで、小さな野原と大きな野原を七つと七つ、
四羽ばたきで、小さな砂漠と大きな砂漠を七つと七つ飛び越えました。
レービュの国につくと、ツグミは王さまをひっぱりだしていいました。
彼女はなにもいわなかったが、あの娘は、やはり天へと戻りたいのだ。
お前が王に戻り、それが人々に喜びをもって迎えられるのならば、彼女もやがて
天使へと戻れるやもしれん。
しかし、お前が人々を苦しめるようなことがあれば、彼女は悪魔のままなのだ。
わがはいとアムドゥシアスには感謝など必要ない。
だがソラトへの感謝は忘れるでないぞ。
彼女を悲しませるようなことがあれば、わがはいたちはお前を決してゆるさぬ。
必ず、必ずお前を八つ裂きにするだろう。
その言葉に王さまがうなずくよりも速く、ツグミは風のように消えていました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます