12.風のように

ツグミは王さまを上着のポケットにつっこむと、風のように飛びました。


一羽ばたきで、小さな川と大きな河を七つと七つ、

二羽ばたきで、小さな海と大きな海を七つと七つ、

三羽ばたきで、小さな野原と大きな野原を七つと七つ、

四羽ばたきで、小さな砂漠と大きな砂漠を七つと七つ飛び越えました。


レービュの国につくと、ツグミは王さまをひっぱりだしていいました。


彼女はなにもいわなかったが、あの娘は、やはり天へと戻りたいのだ。

お前が王に戻り、それが人々に喜びをもって迎えられるのならば、彼女もやがて

天使へと戻れるやもしれん。

しかし、お前が人々を苦しめるようなことがあれば、彼女は悪魔のままなのだ。

わがはいとアムドゥシアスには感謝など必要ない。

だがソラトへの感謝は忘れるでないぞ。

彼女を悲しませるようなことがあれば、わがはいたちはお前を決してゆるさぬ。

必ず、必ずお前を八つ裂きにするだろう。


その言葉に王さまがうなずくよりも速く、ツグミは風のように消えていました。

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