4.思い出せないおまじないの言葉
「
と、王さま。
「
と、大臣。
最初の『
二人は思いつく限りの言葉をならべたてましたが、大昔の
出てくる言葉には限りがあります。
王さまはだんだん恐ろしくなってきました。
こんな鳥の姿では、だれも自分のことをわかってくれないでしょう。
いや、へたをしたら食べられてしまうかもしれません。
大臣も、やはり同じことを考えているようでした。
「ああ、もうすぐ夜が明けてしまう。
わしがいなくなっているのに気づいたら、妃はどれほど悲しむだろう。
姫は、家来たちはどれほど涙を流すだろう。」
王さまはそういうと、涙をぽろぽろこぼしました。
大臣もそんな王さまを見て、今にも涙をこぼしそうになりましたが、薬をくれた魔法使いが自分の家に泊まっていることを思い出しました。
「王さま、薬をくれた魔法使いならもとに戻るおまじないを教えてくれるでしょう。
きっと、もとに戻れます。ええ、戻れますとも。」
大臣はそう王さまをなぐさめましたが、それは王さまにではなく、自分にいいきかせているようでもありました。
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