Prologue 03



「昨日徹夜でゲームをしてまして…」



支倉 蜜香(ハセクラ ミツカ)、24歳。


特別可愛いわけでもなければスタイルがいいわけでもない。



「ゲームぅ!?睡眠削ってまでゲームなんてやめなさいっ!!」


「すいません…」



上司がオネエということを除けば、どこにでもいるいたって普通のOLだ。



「分かればよし。さぁ、今日も仕事頑張るわよー!」



一言私に喝を入れた後、社長は颯爽と去っていった。



久我 唯斗(クガ ユイト)、32歳。


まだ30代という若さで社長まで登りつめた、いわゆる超エリート。


…なんだけど。



男物のスーツにハイヒール、加えて鎖骨あたりまで伸ばされたヘアスタイルはあまりにも強烈すぎる。


その美貌とキャラクターも相まって、社内の注目を浴びないわけがなかった。





「久我社長、相変わらず美しすぎる…」


「あの人なら男の俺でも抱けるかも」



去っていった社長の後を見つめながら、同期の2人はいきなりそんなことを呟く。



「いくら社長が美しいっていっても…虎ちゃんがあの人を抱いてる姿は想像したくない」



同期の女の子の中でも一番の仲良し、三郷 ゆめ(ミサト ユメ)。


そして問題発言をしたのが篠宮 虎竹(シノミヤ コタケ)。



「蜜香、いい加減そのあだ名やめてくれよ…んで想像もしないでくれ」「虎ちゃんは虎ちゃんじゃん。いまさらなに言ってるの?」


「あんたに久我社長なんか抱かせないわよ!」




ゆめと虎ちゃんと私。


入社当初から、休憩時間とかはこの3人で一緒にいることが当たり前。

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