第5話 楽しみができる。近ずいてくる危険

 精霊のシエルと契約してからしばらくして早速精霊術をと思ったが


「無理だな」


 無理らしい。

 正確には今はまだ、らしい。

 詳しく聞くとなんでも体がその精霊の力に追いつけないらしい無理に使えば体が壊れると、もし今やろうと思ったら30秒が限度らしい。

 めちゃくちゃ短いな!

 うーんどうしたものか、体力をつけることは絶対条件だし

「・・・・ぇ」

 やばい強くなるにはやっぱり近道とかないのかなー「・・・ねぇ」

 やっぱりゲームとは違うのかー


「ねぇ!!」


「うわ!」


 びっくりしたー!。

 なんだなんだいきなりそうして横を見ると顔を風船のように膨らませたレナの姿があった。そして怒りながら早口で


「なんでずーっと難しい顔してるの!。」


 やばいこのままでは好感度に問題が!


「なんでもないよそれよりどうしたの?」


 見ろこの爽やかな感じなかなかいいだろう


「あのね、らっ」


「らっ?」


「来週のお祭り一緒に行かない?」


「あぁ」


 そういえば父さんが言ってたな。

 来週、この村ができた日の記念日みたいなのでみんなで祝うって随分マメなんだなと思ったが、なるほどこのイベントか!


「行こう!」


「ホント!」


「やったー!」


 良かったこれで好感度が戻ったとは思わんが結果

 オーライだ。

 この祭りで一気に好感度を戻してやる。



 さてとレナとのイベントができたが今から何をしようか。そういえばこの近くに洞窟があってその先に綺麗な花畑があると母さんに聞いたことがある。祭り終わりに行ってみるのも悪くないそうと決まれば早速下見だ。向かっている間暇なのでシエルからいろいろ聞いておこうかな。


「そういえばシエルっていくつなの?」


「女性に年齢を聞くとは失礼だな!」


 え、精霊にも性別あんの?

 そんな疑問が頭に浮かんだか今は言わないでおこう。

 話がこじれる可能性があるからな。

 別の話題を言わねば。


「シエルは精霊としてどんなことが出来るの?」


 この問はいたってシンプルだ。

 物語を読んででていた炎の鬣これはおそらく纏《まと》わせるということそれ以外になにかできるのか単純な疑問だ。

 それによって戦いの幅が広がるそうして聞いたことに対する答えは


「知らん」


 この一言だった。

 ふざけるなどは思ったがその言葉がでる前にシエルから説明が来た。


「普通の精霊は何らかの属性を持っている。だが私が持つのは無、いや人間がわかるように言うと純粋な魔力だ。ただ真っ白だからこそなんにでもなれる。つまりは貴様が思い描くものによってその本質もまた変わるのだ。」


 そう説明された。

 つまり普通の精霊とは違い契約者によって能力が決まると。

 待っていってることがムズすぎる。

 つまり物語のようにできるかわからないってことか、だって前世でも少し厨二でてたしそっちがでるかもってことでしょ、やだなー異世界まで来て黒歴史見るの。

 そう唸っているといつの間にか洞窟に着いていた。

 中は意外と暗く少し怖かった今回はシエルの体の発光のおかげでどうにかなった。

 ってゆうか体が発光ってw。

 シエルに睨まれたが何とか誤魔化して乗りきった。祭りの日はランプか何か持っていこう。

 そうこうしていると洞窟が抜けた。

 洞窟から抜けた先はただ綺麗と呟いてしまうほど絶景だった。

 あたり一面の花少し奥に行くと草原が広がっていた。まさに映えスポットと言ってもいいほど綺麗だった。

 これならレナも喜ぶだろう。

 さてと祭りの日が楽しみだ!。












 同時刻村


 農作業をしている一人の男が雑談程度で気楽に喋る。


「おいおい聞いたか。」


「何を?」


「ブラックベアーだよ」


「ブラックベアー?」


「なんだそれ?」


「巨大熊《ジャイアントベアー》じゃなくて?」


「そうなんだよ。最近この森で見かけたってやつが多いんだ。」


「なんでも黒いモヤに包まれてクマだからブラックベアー」


「黒いモヤ?」


「そんなの聞いたことないな。」


「この村は大丈夫なのか?」


「あぁ、でも村にはまだ近ずいてきてないし大丈夫だろ。」


「もし何かあっても村長がいるんだから安心だなな!。」


「なんでお前がそんなに自慢げなんだよw」


「ま、祭りの日に何も無いことを祈ろう。」








 レックスが洞窟をでてしばらくしたあと。



「つまらん」


 黒い形が定まらない物体が言う。

 丁度よく隠れ蓑になれそう巨大熊がいてそれに乗り移ったはいいが全くつまらん。


「弱すぎる」


 ただその一言がもれるもっとまともなのはいないのか?。

いくら復活したてで魔力もろくに回復していない私相手でこれとは。

 そう少し不機嫌にそして呆れながら思った。

 そう思いフラフラしていると洞窟を見つけた。


「しばらくここで眠るとしよう」


 そう言って黒いクマはその洞窟に入り眠りの着いた。





 そうやって祭りの日は近ずいて行く。








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