第11話

物語も終盤に近づく。薫も吸い込まれるように衣装とセリフにくぎ付けになっていた。隣に意識を向けると駆も舞台に集中している。

・・・こっちに気づいてくれたらいいな。と薫は思ったけれど、まだ薫に気づいてもらうと緊張してどんな顔をしていいか分からないからこちらに気づいてくれなくて良かったなと思っていた。


神楽が終わり、部屋に戻る。少し寒い室内を駆と薫の二人の体温が部屋を暖める。

初めて見た神楽の感想を伝え合っていると適温になって話が進む。



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