僕と俺は恋のキューピッド
かずぺあ
恋のキューピッド
僕は恋のキューピッド。なんでかはわからないけど、気付いたら背中に翼が生えていて、恋の弓矢っていうのを持っている。この矢で恋心を起こさせることが僕の役目らしい。
恋心ってなんなんだろう?僕にはわからないけど、この矢を放てばわかるのかな。
僕の他にも恋のキューピッドはたくさんいて、みんな誰に矢を放とうかと下界を覗いている。僕も真似して下界を覗く。
男と女。なんとなく分けられている感じがするけど、別に決まったルールはなく矢は放たれているみたいだ。
誰に矢を放とうか。神様の言葉が聴こえてくる。
「可愛いいあの娘はどうだい?」
「優しさと強い心のあの女性は?」
「困難に立ち向かってる彼女は?」
神様はすすめてくる。きっと神様の言うことは正しいのだろう。でも僕は自分で決めたいんだ。でもなかなか矢を放てない。他のみんなは次々と矢を放っていく。矢を放ったあとはみんな満足げな表情を浮かべ消えていく。恋心っていうのを知るとああなるんだ。僕も知りたい。
早く知りたいけど、誰に放てばいいのかな?考えれば考えるほどわからなくなってくる。また神様の声が聴こえる。
「勇気をだせ」
「もう時間が無い」
「後悔するぞ」
なんだか神様は焦っている。それは僕も同じだからわかってる。時間という概念があることを下界を覗きこみながら理解もしてきた。僕はきっとダメな恋のキューピッドなんだ。
ぎゅっと矢を持ち、弓に矢をかけ思いっきり引っ張る。僕は誰とは決めずに頭上に矢を放った。
「俺、お前のことがずっと好きでした ずっと言えなかったけど大好きです」
俺は自分の中の気持ちをやっと解き放った。それがどんな結果になろうと後悔はしない。俺が放った矢はその瞬間から恋心を認めさせた。
すっと心が軽くなり、軽くなった分は満足感でみたされた気がした。
僕と俺は恋のキューピッド かずぺあ @kazupea748
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