第3話、まさか、動画デビューなの?
授業中は安心できる空間だと僕は思う。
だって、先生が黒板に書いた文字をノートに書き込みするだけの作業充分だしね?まあ、中には先生に指されて答えさせられる苦行とかもあるけど……でもこのクラスでの先生は、はっきり言って分かりやすい。
何故ならあきらかに七宮さんに好意を持っている風に見えるんだもん。
ちなみに男性教諭。クラスの女子の七宮さんに好意持っては駄目だと僕は思うけど、そこは見てみぬフリをしとこう。
授業が終わり、休み時間。
僕は窮地に追い込まれていた。
男子連中が僕に七宮さんとどういう関係だと問い詰められてるけど、それは僕が聞きたい。知り合いでもあるし同じクラスメイトでもあるし、友達って言われてないし、彼女でもないから僕は素直に相方だって男子連中に説明してやる。
けど、信じてはくれなかった。それは当然の反応かな?
モブの僕に相方って言われても、は、何それ?って僕だって思うし?
男子連中に説明したので、これ以上僕から話すことは無かった。
そして時間経過していき、放課後の時間。
僕に七宮さんが話しかけてくる。
「待たせたわね、優」
「残るように言ったのは、あかりさんじゃん、で……僕に何やらせるつもりなの?」
「それはこれよ!」
「これは……楽譜?」
「そう、これは私が作詞作曲した楽譜よ、で、優、貴方にはこれを歌って貰うわ」
「僕が歌う?え、これあかりさんが作曲?何気に凄くない?」
渡された楽譜を見てみると、ちゃんとした楽譜だった。
でもタイトルが決まっていないみたいだけど?
「これ、タイトル決まってないみたいだけど?」
「一応作詞作曲してみたけど、いいタイトルが思いつかなかったよね?優、何か良いタイトル思いつかないかしら?」
「僕が決めちゃっていいの?なら……夜明けのスターマインって名前なんてどう?」
「夜明けのスターマイン……いいわね!優、なかなか良いセンスしてるじゃない、なら……この曲は今から夜明けのスターマインよ!で、この新しく作った曲で、発表会をするわよ!」
「発表会ってどこでするの?」
「それは動画サイト、ゆるゆる動画ね。このゆるゆる動画で、新しくメイユウとしてデビューするわよ、優、今度の休み、時間空いてるかしら?」
「休みなら家でゲームしてるだけだから、暇と言われれば暇だけどさ?」
「ほー、なら……好都合ね?優、今度の休み、連絡するから宜しくね。こら、私の連絡先よ」
僕に一枚の紙を渡してきた。中に書かれてあるのは、アドレスと電話番号だったので、僕はスマホに登録するため、僕がスマホを取り出すと、七宮さんが僕のスマホを奪うと勝手に操作してきたので、驚いてしまった。
「ちょっ、あかりさん!?」
「はい、登録しておいたわ、それにしても……優、このゲームが好きだったのね。なかなか良いセンスじゃない。これなら私もやってるからフレンドコード後で送ってあげるわね。それじゃあ今日は私はやる事があるから、またね」
そう言って七宮さんが僕に携帯を投げ返して、その場から退散したのだった。
えっと……これって初めて女の子アドレスゲットって事?あと、まさか七宮さんが同じゲームユーザーだとは思わなかったかな?
で、僕、動画で歌うの……?マジですか……?
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