第3話 ドレスショッピング 〜1〜

〜馬車の中〜


「カーメリルはどんなドレスを選んでくれるのか楽しみだわ。」

「お姉ちゃんはこの色がいい!とかあるの?」


よくぞ聞いてくれた。


「私は目の色と同じミントグリーンがいいわ。」

「分かった!お姉ちゃんに似合うの頑張って探すね!」

「カーメリルは何か指定はある?」

「私はお姉ちゃんが選んでくれるのでいい!」

「あら、いいの?こんな可愛い妹を持って良かったわ。」

「ありがとう!お姉ちゃん!」


カーメリルが姉の言葉になんの疑問も持たない素直な子で良かった。とても利用しがいがある子だ。


「お嬢様、着きました。」


着いたか。


「さ、カーメリル。行きましょ。」

「はい!お姉様!」


すごいなやっぱり。外ではお姉様と呼ぶようにと母から教わった通りにきちんと家と外を使い分けてる。俺も心の内と外を使い分けないとな。


「ようこそいらっしゃいました。特別室へご案内致します。」


特別室なんてあったっけ?あ、俺そこ飛ばしたんだ。

って、うわでっけぇ。比べ物にならないくらい高そうなドレスいっぱいあるじゃん。


「ゆっくりとご覧ください。お決まりになられましたらこのベルを鳴らしてください。では。」

「可愛い可愛いカーメリルのドレスを選んであげるわね。」

「うん!私もお姉様の探す!」

「ジャフリー、今日はカーメリルについて行ってあげて。私の方はラン1人で十分よ。」

「かしこまりました。」

「それじゃあラン。行きましょう。」

(コクリ)


うわぁ、やっぱいっぱいあるなぁ。

カーメリルの黒髪を引き立てるのはやっぱり薄い色だな。暖色ってのは決まってるから、ピンクとかのパステルカラーをベースに見ていこう。

これはちょっと落ち着きすぎて子供らしさがかけるな、、、これはちょっと派手すぎるかもな。

え、まじ?これめっちゃいいじゃん。

俺がJK化する事あんまないと思うけど、これはするわ。これに決めよ。


「これに決めたわ。」

「かしこまりました。」

「じゃあラン、カーメリルを待ちましょうか。」

「はい。」


10分後


「お姉様!見てください!」

「まぁ!スゴく素敵だわ。ありがとうね、カーメリル。ほら、カーメリルのも見せてあげて。」

「はい。」

「わぁ!可愛い!お姉様、ありがとうございます!」

「どういたしまして。じゃあ今日はあとアクセサリー店に行きたいんだけど、、、」

「ちょっと連絡を取ってみますね。」


いきなり言ったのに対応してくれるの凄いな。

てかカーメリル、ちゃんとミントグリーンの綺麗なドレスにしてくれてるじゃん。ナイス。


「ソフィアお嬢様。」

「あぁ、どうだった?」

「行きつけであるぼったくりま商店へ参ります。ここから約20分しますがよろしいですか?」

「ええ。お願いするわ。」

「かしこまりました。それではどんどんぼったくりま商店へ参りますので馬車の中へお入りくださいませ。」

「ええ。さ、カーメリル乗りましょ。」

「はい!お姉様!」

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